Googleが日本に1,000億円の投資を決定!他社の投資事例と併せて解説
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Googleによる1,000億円の投資内容
日本のネットワークやデータセンター
Googleは日本のネットワークやデータセンターへの投資を表明しています。日本国内にある既存のインフラを利用するだけではなく、これらに投資してインフラ環境をより良いものに高める取り組みを計画しています。また、この取り組みは2021年から始まっていて、2023年に千葉県印西市にGoogleとして日本で初めてのデータセンターを開設します。Googleが独自のデータセンターを開設することで、サービスの向上などが期待できるでしょう。他にも、2023年にはGoogleが主導する「Topaz」と呼ばれる海底ケーブルが誕生予定です。日本とカナダを初めて接続する光ファイバーケーブルで、日本国内でGoogleのサービスなどが使いやすくなると考えられます。
デジタルスキルの向上
デジタルスキルを向上させるための取り組みとして、2019年以降「Grow with Google」が提供されています。民間企業や地方自治体など幅広い団体へトレーニングを提供するものです。また、新しいトレーニングの提供体制として、2022年6月に「日本リスニングコンソーシアム」を主幹事で発足させています。49の団体が参加して、200以上のプログラムが提供されるコンソーシアムで、AIやデジタルマーケティングなどを学べる環境が提供されています。
リスキル
Googleの慈善事業部門の「Google.org」が出資して、デジタルスキルのリスキルを支援しています。主に非営利団体に向けの慈善事業としての出資です。例えば「公益財団法人長寿科学振興財団」は、Googleからの助成金を利用して高齢者の支援をおこなっています。また、セーファーインターネット協会では、Googleの支援を受けて、日本でのメディアリテラシー向上に取り組んでます。
Googleによる投資で期待できる効果
Googleツールのアクセス高速化
Googleが日本に投資することで、各種ツールのアクセス高速化が期待できます。例えば、GoogleカレンダーやGmailなどが利用しやすくなるでしょう。アクセスの高速化が期待できる理由は「新しいデータセンターが設置される」「海底ケーブルが整備される」の2つです。Googleが日本に投資してインフラ環境が整備されることで各種ツールにアクセスしやすくなり、今までよりも高速な通信が実現されます。また、日本国内への投資のみならず海底ケーブルへの投資もしていることで、海外で提供されているGoogleツールへのアクセスも高速化されます。
Googleツールの安定性向上
Googleがインフラ環境を整えることで、Googleのツールをより安定して利用できます。例えば、データセンターのトラブルによって、「Gmailでのメールが受信できない」のようなことが少なくなるはずです。システムのインフラ環境が貧弱であると、どうしてもトラブルに対応できません。つまり、システムが不安定になってしまい、利用者が被害を被ってしまいます。必要な場面で障害などが起きていると、ビジネスなどに影響を与えてしまいますが、これを防ぐことが可能です。
デジタルリテラシーの向上
インフラ環境への投資だけではなく、デジタルスキルの向上にも投資している状況です。そのため、今後はデジタルリテラシーの向上が期待できます。
Googleの調子によって数多くのデジタルスキルが解説されていますが、具体例を挙げると以下のとおりです。
- 業務のオンライン化
- オンライン販売の拡大
- 顧客とのコミュニケーション強化
- リモートワークの促進
- デジタルマーケティング
- ソフトウェア開発
- オンラインでの教育
これらは一例ですが、幅広い分野でデジタルリテラシーの向上が期待できます。高いリテラシーを持つ人が増えることによって、IT業界で活躍する人が増えたり、システムを使いこなせる人が増えたりなどの効果も期待できるでしょう。なお、Googleはデジタルリテラシーの向上だけではなく、習得したスキルを活かす場の提供にも投資しています。必要に応じてジョブマッチングサービスまで受けられる仕組みです。
Google以外が日本へ投資した事例
アマゾン ウェブ サービス(AWS)
アマゾン ウェブ サービスは日本国内のITインフラを強化するために、2011年から現在までに累計で1兆3,500億円を投資しています。これにはデータセンター群やネットワークの整備のみならず、設備を運用するための投資も含まれています。日本への投資は国内総生産にも寄与していて、2011年から現在までの累計で1兆3,060億円と非常に高額です。AWSの投資がインフラ設備の販売や雇用につながり、それが国内総生産にも大きな影響を与えました。
Amazon
Amazonは2010年から2021年までに日本へ4.5兆円超を投資しています。通販サイトの整備だけではなく、Amazon独自の倉庫を設置したり、そこで働く従業員を雇用したりするなどの合計金額です。また、日本におけるAmazonの物流が効率化できるよう、さらに「デリバリステーション」を設置すると発表しています。設置にあたってはAmazonからの投資が発生するため、延べの投資額はより高額になるでしょう。
EPAM Systems Japan 合同会社
EPAM Systems Japan 合同会社はITコンサルタントを中心に活躍する企業で、UXデザインの普及を目指して日本へ投資しています。日本はUXの考え方が遅れているとされていて、それを改善するために活動に取り組んでいる状況です。また、海外から日本に進出するにあたってはJETROのサポートを受けていて、公的支援を活用した投資の事例でもあります。
シミック・アッシュフィールド株式会社
シミック・アッシュフィールド株式会社は医薬品営業支援を得意とした外資系企業です。海外での経験をもとに日本国内へ投資している状況で、東京都の「外国企業発掘・誘致事業」のコンサルティング支援を受けて日本へ展開しています。日本国内へ進出したタイミングは2014年ではありますが、2021年時点ではすでに800人を雇用している企業です。日本へ投資したことで雇用を創出し経済効果を生み出しています。
ニセコの不動産開発
北海道のスノーリゾート・ニセコではコロナ禍で客足が遠のくなか、コロナ後の需要回復を見込んで、中国系資本を中心として外資系企業がコンドミニアム購入やリゾート開発に投資をしています。香港の不動産開発会社のメトロポリー・ホールディングス・リミテッドは、事業費約230億円をかけて、ホテルやショッピングモールを備えた複合施設「アルクザカストリート」の開発を進めています。また、欧州や東南アジアなどで高級リゾートを展開している香港のザ・パビリオンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツは、開発費約110億円をかけてニセコに別荘型コンドミニアム19棟の建設を進めていて、2025年までの完成を目指しています。
まとめ
Googleが日本に1,000億円の投資をしたことについて解説しました。ネットワークやデータセンターへの投資だけではなく、デジタルスキルの向上に向けてもGoogleが投資しています。また、今回はGoogleの事例について解説しましたが、Google以外にも日本にIT投資している外資系企業が存在します。日本に対してどのような投資が行われているかを知り、必要に応じて活かせるとよいでしょう。
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