建設業の業界動向
建設業界の市場規模
1990年代をピークに、2011年頃までは徐々に減少傾向が続いていましたが、2012年からは徐々に回復傾向に転じました。
【年間 建設投資 推移】
参考:建設投資の推移(国土交通省)
建設業界の現状・課題
建設業就業者の高年齢化
60歳以上の労働者が約82.8万人で、全年齢層の4分の1の25.2%を占めており、10年後には大量離職も見込まれている。一方で、20代以下の若年層の労働者が、約36.5万人の11.1%となっている為、今後労働者が減少していく可能性も高い。建設業界の就業者・雇用者数も減少傾向。
【年齢別就業者数】
労働力調査(総務省統計局)
【建設業の就業者・雇用者推移】
参考:労働力調査(総務省統計局)
人材の確保や育成の難しさによる後継者不足
建設生産物の品質の確保については、優秀な技術者や技能者によって実現されており、特に、施工にあたっては、技術者や技能者が個人的に的確に仕事を行うだけでなく、組織的、協調的に機能する体制が必要とされている。
機械化が日々進歩している現代でも、人の手に頼らざるを得ない部分の多い建設業においては、人材育成の重要性は高いといえる。
機械化が日々進歩している現代でも、人の手に頼らざるを得ない部分の多い建設業においては、人材育成の重要性は高いといえる。
【業種別 後継者問題の実態】
参考:帝国データバンク「2016年 後継者問題に関する企業の実態調査」
利益率の低さ
市場規模は全盛期の半分程度と縮小の一途を辿っており、一時的な需要増があるとはいえ、長期的な目で見ると供給過多が続く。その中で、価格競争は激しさを増している。一方で、建設業界の深刻な人手不足が招く人件費の高騰も影響し 安全面などを考えると材料費などのコストを下げることには限界があるが、利益率が低下している。
景気の影響をダイレクトに受けやすい
建設業界は、特に国内景気の影響を受けやすい業界といえる。震災復興事業やオリンピック需要により、短期的にみれば足元は好調ですが、それらにより高まった需要が一巡した後は業界再編などが進む可能性が高い。
2020年の新型コロナウイルスの影響でも、建設投資の見通しはマイナスの見通しになった。
2020年の新型コロナウイルスの影響でも、建設投資の見通しはマイナスの見通しになった。
建設業法改正により、建設業許可の承継が可能になった
2020年9月までは、建設業許可は、他社または他者に承継する事ができませんでしたが、2020年10月より、建設業許可を承継ができるようになりました。
今までは、M&A・事業譲渡や、事業主から子供に事業を引き継ぐ場合などでも、承継前の許可を引き継ぐことができず、新規で許可を取り直す必要がありましたが、許可を引き継ぐことができるようになりました。
これによって、許可を取り直している間の空白の期間がなくなり、承継後もスムーズに事業継続することができるようになりました。
今までは、M&A・事業譲渡や、事業主から子供に事業を引き継ぐ場合などでも、承継前の許可を引き継ぐことができず、新規で許可を取り直す必要がありましたが、許可を引き継ぐことができるようになりました。
これによって、許可を取り直している間の空白の期間がなくなり、承継後もスムーズに事業継続することができるようになりました。
建設業界におけるM&A活用のメリット
- 後継者問題を解消できる
- 創業者利益を得てハッピー・リタイアができるs
- 従業員の雇用を守ることができる
- 事業の選択と集中ができる
譲渡側のM&Aのメリット
- 商圏の拡大が図れる
- 資材の仕入れなど、スケールメリットを享受できる
- 得意分野や地域進出など、事業保管が図れる
- スキル・経験の豊富な人材を確保できる
譲受側のM&Aのメリット
建設業界のM&Aのポイント
- 民間/公共工事の割合、建築/土木工事の割合
- 人員体制(有資格者のの人数、年齢構成、経験)、労務問題(雇用形態)
- 建設資材、建設機械、車輛保有(自社orリース)
- 経審の評価と実際の違い
- 元請比率
建設業界のM&Aニュース
2021.2.2 | 飛島建設株式会社、ITシステム開発・保守の株式会社アクシスウェアを子会社化 |
2020.7.29 | 木工用ボンドで有名なコニシ株式会社、土木工事業の山昇建設を子会社化 |
2020.7.3 | 木工用ボンドで有名なコニシ株式会社、建設・土木工事業の丸建設を子会社化 |
2020.6.17 | エムジーホーム、戸建分譲のTAKI HOUSEの全株式を取得、を子会社化 |
2020.5.21 | 日本リビング、住宅建設・リフォーム工事を手掛ける横浜ハウスを子会社化 |
2020.5.13 | 三井住友建設、橋梁事業の三井E&S鉄構エンジニアリングを子会社化 |
2019.11.27 | フジ住宅が大阪市の雄健建設グループ3社を買収 |
2019.4.15 | 京成電鉄が千葉市の式田建設工業を買収 |