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これだけは押さえたい! 基礎的な企業買収スキーム7種類

これだけは押さえたい!  基礎的な企業買収スキーム7種類

企業買収におけるスキームは数える程しかありません。今回は7種類の基本的な買収スキームを「株式を取得するスキーム」「事業を取得するスキーム」「株式を取得するスキーム(特殊編)」の3種に分類してご紹介します。実務ベースの細かな内容ではなく、大局観が掴めるような簡略的な説明をしていますので是非ご参考ください。

■企業買収における株式取得の方法3種類

最頻出のスキーム!株式譲渡とは?

株式譲渡とは株式の売買によって経営権を移行するスキームです。譲渡企業の既存株主が保有する発行済株式を譲受企業が取得し、譲受企業は譲渡企業の既存株主に対して対価を支払います。100%の株式を売買すれば譲渡企業は譲受企業の100%子会社となります。株式の売買だけですので、事務手続きが比較的楽なことから中小企業のM&Aにおいて頻繁に利用されるスキームです。

譲渡企業のメリットとして企業の所有者が変わるだけですので、雇用契約関係等がそのまま引き継げるという点があげられます。その他にも税の安さが挙げられます。譲渡企業の既存株主は株式売却に伴う利益を得ることになりますが、この譲渡益に対する税金は20%程度と低く設定されています。全体的な印象としては譲渡企業にメリットの大きいスキームと言って良いでしょう。

譲受企業としてはデメリットに注意すべきです。財務DD(デューデリ)もしたのに、後から多額の簿外債務が見つかった等のトラブルが発生するリスクを抱えています。

第三者割当増資の基本スキームとは

第三者割当増資とは譲渡企業が第三者(譲受企業)に対して新株を引き受ける権利を割り当て、増資(エクイティによる資金調達)を行うスキームです。譲渡企業は発行会社として引き受け企業である譲受企業に株式を移行させることが可能なため単なる増資の手段というよりは、M&Aの手段として利用されることがあります。

前述の株式譲渡は譲受企業が譲渡企業株式の100%を保有することで完全子会社化し、所有者を100%変更することが可能ですが、第三者割当増資の場合は譲渡企業の株主が株主(所有者)として残ることになりますので、100%の完全子会社化は不可能です。

株式交換の基本スキーム

株式交換とは譲渡企業を譲受企業が完全子会社化する目的で行われます。譲受企業が譲渡企業の株主から株式を受け取り、その対価として譲受企業の株式を譲渡企業の株主へ交付することで行われます。

株式交換を行った場合の譲受企業のメリットとして、多額の買収資金がいらないという点があります。株式譲渡にしても第三者割当増資にしても譲受企業は買収資金が必要不可欠ですが、本件スキームでは買収資金の代わりに自社(譲受企業)株式を使うため買収資金の負担が軽くてすみます。譲受企業は資金がない中でも、譲渡企業の支配を行うことができるのです。

 

■企業買収における事業取得の方法2種類

事業譲渡の基本スキーム

中小企業のM&Aでは株式譲渡の次に多く利用されるスキームです。事業譲渡とは譲渡企業の資産の一部もしくは全部、事業部門のいくつかもしくは全部を譲受企業に売却することが可能です。全部譲渡を行えば、企業全体を売却(株式譲渡で全ての株式を売却)したのと同じ効果を得ることができます。実務上では一部譲渡を行うことが一般的です。なぜなら全部譲渡を行うのであれば株式譲渡の方が同じ効果でより簡単な手続きで行うことができるからです。

事業再生スキームのひとつに第二会社方式という事業譲渡を使ったスキームがあります。これは経営危機に陥っている企業の事業を二つにわけ(good企業とbad企業)、bad企業を清算し、good企業を譲受企業(スポンサー)に売却するというスキームです。

会社分割の基本スキーム

譲渡企業を複数の法人に分割し、事業そのもの、組織や資産などの権利・義務を一括して移転させるのが会社分割です。事業譲渡と同様に会社分割を行うことで譲渡企業の一部事業について譲受企業に承継させることが可能になります。会社分割は「吸収分割」と「新設分割」の2種類に分かれます。

吸収分割とは分割された企業(譲渡企業)の事業を既存の会社(譲受企業)が承継する方法です。新設分割とは分割された企業(譲渡企業)の事業を新設の会社(譲受企業)が承継する方法です。

また、吸収分割と新設分割はそれぞれ、分社型と分割型とに分かれます。分社型とは事業を承継した企業(譲受企業)の株式を譲渡企業が保有する場合を呼びます。この場合、譲受企業が譲渡企業を100%子会社化します。分割型とは事業を承継した企業(譲受企業)の株式を譲受企業の株主が保有する場合を指します。この場合、譲渡企業と譲受企業は兄弟会社となります。

最後に、会社分割についても事業譲渡と同様に事業再生スキームのひとつである第二会社方式に使う場合があります。

 

■特殊な株式取得の方法2種類

TOB(株式公開買付)とは

TOBとはtake over bit の略で日本語では株式公開買付と呼ばれます。上場している株式会社の買収において活用されるスキームです。一般的には買収を仕掛ける企業が対象企業の株式を買い取る条件「期間・株数・価格」を公表し、一般の株主や株式市場外から株式を買い集める方法です。対象企業の経営権を取得する(買収する)目的で行われます。買収企業にとって株式を一定の価格で、大量に購入することができるメリットがあります。市場を通して大量に購入しようとすると株価に影響が出てしまいますが、市場外で購入すれば株価の影響を受けずに購入することができます。

TOBには敵対的TOBと友好的TOBとがあります。ホリエモンのライブドアが日本放送の株式を購入したことがありましたが、あれが敵対的TOBです。当然、株式買付を公表するわけですから、買収される側としては対応策を図ることになります。反対に友好的TOBとは事前の合意の元、TOBが行われる場合でです。

この他にも、買収とは異なりますが、対象企業が市場に流通している自社株を買う目的で行うTOBもあります。

MBO(マネジメントバイアウト)とは

MBOとはmanagement buyout の略で直訳すると経営陣買収となります。MBOとは所有(株主)と経営(代表や取締役等)が分離している企業において、経営陣が所有権も取得する目的で行います。MBOを行うと株主から株式を譲受したり、事業譲渡されたりする形で経営陣が会社の所有権を得て、所有者兼経営者(オーナー経営者)となります。基本的には経営陣だけでは買収資金を確保することが困難なため、投資ファンドなどからの支援が必要です。経営陣による買収が成功すれば非上場・非公開化していきます。コーポレートガバナンス(企業統治)の観点から上場による不特定多数の株主を排除することを目的とすることが多いようです。

 

■まとめ

企業買収の基本的なスキームをご説明しました。上場企業であれ非上場企業であれ中堅・中小企業が自力で企業買収を成功させるのは難しいものです。どのような目的で買収を行うのか、戦略立案の段階から税理士などの専門家に相談していくことが重要です。

 

uen0
政府系金融機関にて約5年法人融資業務に従事。年商1,000万円から200億円まで様々な規模、業種を担当。融資だけでなく、外為、M&A等にも携わる。現在は自身の起業を準備をする傍、個人事業主や起業家向けコンサルティング業務を行っている。

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