税理士の無料紹介相談窓口
0120-374-024
メールお問い合わせ 年中無休で24時間受付中

会計事務所のM&Aが増加している理由とは? メリットと注意点も解説

会計事務所のM&Aが増加している理由とは?  メリットと注意点も解説

近年、多くの企業で自社の成長や生き残りのために行われてきたのがM&Aです。実は、M&Aが盛んに行われているのは、普通の企業だけでなく、会計事務所でも同じです。 会計事務所はM&Aの手助けをする側と思われがちですが、多くのM&Aが行われている業界でもあります。ここでは、会計事務所のM&Aが増加している理由などを解説します。

■会計事務所のM&Aが増加している理由

会計事務所のM&Aが増加しているのには、さまざまな理由があります。代表的なものは「所長の高齢化と後継者問題」「顧客獲得などの競争の激化」です。それぞれについて見ていきましょう。

所長の高齢化と後継者問題

今、多くの企業で問題となっているのが、経営者の高齢化と後継者不足です。会計事務所であっても、一般の企業と同じように、経営者の高齢化と後継者不足が問題となっています。
 

日本税理士協会が平成26年に行った「第6回税理士実態調査」では、税理士の年代別の構成割合が公表されています。それによると、税理士の年齢でもっとも多い割合を占めていたのが60歳代で、全体の30.1%でした。次に多かったのが50歳代で全体の17.8%、40歳代の17.1%、70歳代の13.3%と続きます。80歳代も全体の10.4%と多く、60歳以上が占める割合は、全体の半数を超える53.8%となっています。
 

対して若い世代の税理士を見ていくと、20歳代では0.6%、30歳代では10.3%と合計でも10%強しかいないことがわかります。「第6回税理士実態調査」からも、会計事務所の所長の高齢化と後継者不足が、税理士業界全体の課題として浮き彫りになっているのがわかります。

顧客獲得などの競争の激化

インターネットの普及などにより、税理士の仕事は昔に比べてシステマティックになってきています。そのため、税理士や職員、顧客の多い大手の税理士事務所が増えてきました。一方で、税理士が個人で仕事を行っている会計事務所も多くあります。
 

また、税理士の報酬には一定の目安はありますが、今は自由に事務所の裁量で決めることが可能です。そのため、顧客の獲得や事務所を大きくするために、あえて低い金額で仕事を請け負う税理士がいたり、報酬の高い仕事を大手税理士事務所が引き受けたりなど、個人税理士が経営している会計事務所は顧客獲得の競争で苦しんでいる現状があります。
 

これらの理由から廃業に陥る会計事務所も増加しています。そうならないためにも、選択肢として、M&Aによる事業の存続を考えている会計事務所も増えています。

 

■会計事務所のM&Aのメリット

会計事務所でM&Aが増加している背景に、譲渡会計事務所(売り手)と譲受会計事務所(買い手)の双方に多くのメリットがあることがあげられます。
 

そこで、ここでは譲渡会計事務所と譲受会計事務所のそれぞれのメリットを見ていきましょう。

譲渡会計事務所のメリット

譲渡会計事務所のメリットには、次のようなものがあります。
 

・後継者問題の解消
税理士業界では後継者が不足しており、後継者がいないため廃業の危機に陥っている会計事務所が多くあります。会計事務所のM&Aでは、大手会計事務所や若い税理士のいる会計事務所に事業を引き継ぐことで、後継者問題の解消になります。
 

・従業員の雇用の継続と顧問先の保護
会計事務所が廃業してしまうと、困るのが会計事務所で働いている従業員と会計事務所に会計業務を依頼している顧問先です。従業員は、会計事務所が廃業すると働き先がなくなり、たとまち収入が途絶えて生活が苦しくなります。顧問先も新しい会計事務所を見つけて、一から自社の状況や仕事の流れなどを説明する手間が増加します。
 

会計事務所のM&Aでは、原則、従業員や顧問先を引き継ぐことを考えます。そのため、従業員の雇用の継続ができたり、顧問先も新たな会計事務所を探す手間がなくなったりなど、会計事務所の廃業からおこるさまざまな問題を減らすことができます。

 

・所長の仕事の継続
会計事務所のM&Aの場合、契約内容によっては譲渡会計事務所の所長が譲受会計事務所で仕事を続けることもできます。仕事の継続ができるため、所長自身が仕事を無くす心配もなくなります。
 

・引退後の資金の獲得
実は、譲渡会計事務所の所長が引退した後の資金獲得も、会計事務所のM&Aのメリットのひとつです。会計事務所のM&Aは、会計事務所とその事業を売却することになるので、まとまった資金を手に入れることができます。そのため、所長の年齢などによっては、そのまま引退しても、老後の資金に困らずに生活することが可能となります。

譲受会計事務所のメリット

譲受会計事務所のメリットには、次のようなものがあります。
 

・顧客の確保による事務所の成長
会計事務所のM&Aによる譲受会計事務所のメリットのひとつが、事務所の成長です。会計事務所のM&Aでは、譲渡会計事務所の顧客を引き受けることができます。顧問先が増加すれば、それだけ事務所の収益が増え、経営が安定します。
 

また、顧問先から新たな顧問先の紹介を受けるなど、会計事務所のさらなる成長機会を得ることができる可能性も広がります。
 

・優秀な人材の確保
優秀な人材を確保できることも、会計事務所のM&Aのメリットです。税理士業界では高齢化が進み、若い税理士が不足している状況であったり、急激に進んでいる会計業務のIT化への対応が求められていたりする状況です。そのため、どの会計事務所でも、優秀な人材の獲得を今まで以上に望んでいる状況です。会計事務所のM&Aでは、人材も引き継ぐことが可能なため、譲渡会計事務所の優秀な人材も確保できます。
 

・新しい地域での新規開拓
会計事務所では、一定の地域だけでなく、全国規模で顧客を抱える事務所も増えてきています。会計事務所のM&Aでは、新しい地域での新規開拓の足掛かりとなります。これまでに顧客がいなかった地域の会計事務所をM&Aすることで、その地域での新規開拓がしやすくなるメリットを得ることが可能です。

 

■会計事務所のM&Aの注意点

ここまでは、会計事務所のM&Aにおけるメリットを見てきました。しかし、会計事務所のM&Aでは、注意しないといけない点もいくつかあります。代表的なものに、次のような注意点があります。
 

・人材流出のリスク
会計事務所のM&Aでは、譲渡会計事務所から譲受会計事務所に人材を引き継ぐことができます。しかし、必ず引き継げるということではありません。従業員の待遇が異なったり、譲受会計事務所の雰囲気に合わなかったりして、譲受会計事務所に移籍しない従業員がでてくる可能性もあります。
 

譲渡会計事務所では、従業員の雇用が守り切れないことがデメリットとなり、譲受会計事務所では、M&Aにより仕事量が増えた結果、それを賄える人材の不足に陥る危険性があります。会計事務所のM&Aをする前には、譲渡会計事務所と譲受会計事務所の間で従業員の待遇などをしっかりと話し合いしておく必要があります。
 

・顧問先の解約リスク
会計事務所のM&Aで人材流出のリスクとともにあるのが、顧問先の解約リスクです。
顧問先が新しい会計事務所との顧問契約を嫌がり、解約する可能性もあります。顧問先の解約リスクを防ぐためには、顧問先に何度も説明をするなど、M&Aをする前にしっかりとした手回しをしておく必要があります。

 

■まとめ

会計事務所のM&Aが増えてきた背景には、所長の高齢化や後継者不足、顧客獲得などの競争の激化などがあります。これらの事象は続くと考えられるため、今後もますます会計事務所のM&Aは増加するでしょう。
 

しかし、会計事務所のM&Aには多くのメリットもあります。会計事務所のM&Aを考える場合には、メリットや注意点をしっかりと把握することが重要となるでしょう。

 

長谷川よう
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。

ページのトップへ