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調剤薬局のM&A動向はどうなっている? 直近の事例を元に解説

調剤薬局のM&A動向はどうなっている?  直近の事例を元に解説

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調剤薬局のM&A動向について、大手企業が中小規模の調剤薬局を買収する事例が数多くみられます。この記事では、調剤薬局業界からM&Aによるメリット・デメリットを解説するとともに、どのような調剤薬局のM&Aが行われているか直近の事例を紹介していきます。

■調剤薬局業界の概要

調剤薬局業界とは

調剤薬局とは、医師が発行した処方箋を元に、薬剤師が医療用医薬品を調剤し販売する事業所のことです。調剤薬局の開設するためには、薬事法による規制のため所在地の都道府県知事の許可を受ける必要があります。

 

2018年度の日本全国にある調剤薬局数は59,613箇所であり、2017年度と比べて475箇所増加しています。

 

調剤薬局は、医薬品メーカーや医薬品卸業者から医薬品を調達し、調剤薬局において顧客へ販売します。医薬品は厚生労働大臣が公定価格を定めており、どこの調剤薬局であっても医薬品の価格は同一です。

 

しかし、「調剤技術料」「薬学管理料」は、調剤薬局ごとに違いが生じるため、どこの薬局でも同じ価格になるわけではありません。

 

繁盛している病院の隣にあるなど調剤薬局の立地は、調剤薬局のビジネスが成功するための重要な要素の一つです。その他に価格、薬剤師・従業員、店内の雰囲気、待ち時間など、数多くの差別化ポイントがあり、調剤薬局同士の競争を生んでいます。

 

また、2018年・2020年度に改正された調剤報酬改定は調剤薬局の経営に大きな影響を与えています。対応に遅れてしまった調剤薬局は、以前と同様の利益を確保するのが難しくなります。

 

そのため、調剤薬局業界ではM&Aによってグループ薬局の経営ノウハウを注入することによる経営改善等の動きが活発化されています。M&Aにおいて、財務情報はもちろんのこと、処方箋受付回数、集中率、調剤技術料の加算、かかりつけ機能なども買収の際の大きな判断ポイントとなります。

調剤薬局業界の市場規模

調剤薬局の市場規模は、2018年において約7.4兆円で全国に約31万人の薬剤師が勤務しています。調剤薬局の主要なプレイヤーは、以下の9社です。

 

  • 株式会社アインホールディングス
  • 日本調剤株式会社
  • クオール株式会社
  • 総合メディカル株式会社
  • 株式会社トーカイ
  • 株式会社杏林堂薬局
  • 株式会社メディカルシステムネットワーク
  • アイセイ薬局
  • 株式会社ファルコホールディングス

 

上記のうち、売上が一番大きいのは、株式会社アインホールディングスで2020年4月期の売上高は2,926億円でした。アインホールディングスは、北海道札幌を本店所在地とし、アイン薬局、今川薬局などの調剤薬局事業の他、女性向けドラッグストア事業など幅広く事業展開している東証一部上場企業です。

 

■調剤薬局をM&Aするメリット・デメリット

調剤薬局をM&Aするメリット

買い手として、調剤薬局をM&Aするメリットは以下のとおりです。

 

  • 調剤薬局のエリア、事業規模を拡大することができる
  • 最初から薬剤師を確保することが出来る
  • 良い立地の調剤薬局であれば、安定した収益を望める

 

調剤薬局を新たにゼロから立ち上げるためには、物件の調査から始まり、内見、賃貸契約書締結、内装工事、薬剤師や従業員の確保と数多くのプロセスが必要で時間がかかります。M&Aであれば、すでに開業している薬局をそのまま引き継ぐことができるため、新規立ち上げと比べて、時間を大きく節約することができます。

 

また、大きな病院の近くにはすでに数多くの薬局が点在していることが通常で、良い立地で調剤薬局を開業することは、なかなか実現しないことが一般的です。M&Aであれば立地の良い調剤薬局を買収することで、安定した収益を生むことが期待できます。売り手として、調剤薬局をM&Aするメリットは以下のとおりです。

 

  • 後継者不足の問題解決となる
  • 事業廃止よりも手元キャッシュが増加する場合がある

 

後継者不足に悩んでいる調剤薬局オーナーの場合、調剤薬局を多店舗展開している買い手に事業売却することで、その問題を解決することができます。また、買い手から調剤薬局の立地や事業性を高く評価された場合には、自身の予想を上回る売却オファーを貰える可能性があります。

調剤薬局をM&Aするデメリット

買い手として、調剤薬局をM&Aするデメリットは以下のとおりです。

 

  • 簿外負債を引き継ぐリスクがある
  • M&Aをきっかけに薬剤師・従業員が離職するリスクがある

 

調剤薬局に限らず、株式譲渡による買収を行う場合、簿外負債のリスクをゼロにすることはできません。事前の慎重なデューデリジェンスなどが重要です。

 

M&A実施後に、薬剤師・従業員が離職してしまっては、ビジネスが回らなくなってしまう恐れがあります。買い手は売り手とよく相談して、社内へのアナウンスのタイミングなど適切な打ち手を選択する必要があります。売り手として、調剤薬局をM&Aするデメリットは以下のとおりです。

 

  • M&Aをしたいと思っても、必ずしも売却できるとは限らない
  • 買い手のデューデリジェンスへの対応、契約交渉など経営者自身の時間が取られる

 

M&Aは相手があってこその話であるため、買い手が見つからなければM&Aは成立しません。また、買い手候補が見つかり、長い時間交渉したとしても結局交渉が決裂してしまうことが良くあります。

 

■調剤薬局のM&A事例

2020年4月から2021年3月までの直近1年間の調剤薬局のM&A事例一覧

2020年4月から2021年3月までの調剤薬局のM&Aは以下のとおり17件あります。

 

  • 1. 2020年4月8日 ウェルシアホールディングスによるクスリのマルエの買収
  • 2. 2020年4月30日 ツルハホールディングスによるJR九州ドラッグイレブンの買収
  • 3. 2020年5月18日 ウェルシアホールディングスによるネオファルマーの買収
  • 4. 2020年6月1日 ココカラファインによる調剤薬局1店舗の買収
    5. 2020年8月3日 クオールホールディングスによる茨城県・大阪府の調剤薬局の買収
    6. 2020年8月3日 ココカラファインによる調剤薬局1店舗の買収
    7. 2020年9月1日 ココカラファインによる愛知県の調剤薬局1店舗の買収
    8. 2020年9月1日 ココカラファインによる有限会社寿の買収
    9. 2020年9月7日 ウェルシアホールディングスによるマザーピア6店舗の買収
    10. 2020年9月10日 ベインキャピタルによるキリン堂ホールディングスのMBO
    11. 2020年11月2日 綿半ホールディングスによる有限会社ほしまんの買収
    12. 2020年11月12日 ココカラファインによるフタツカホールディングスの買収
    13. 2020年12月1日 ツルハホールディングスによる調剤薬局1店舗の買収
    14. 2020年12月1日 ココカラファインによる調剤薬局2店舗の買収
    15. 2020年12月1日 ココカラファインによる調剤薬局1店舗の買収
    16. 2021年1月5日 クオールホールディングスによる勝原薬局の買収
    17. 2021年2月22日 ココカラファインによる雅ファーマシーの買収

 

上記のうち、取引金額が公開されているのは、10番のベインキャピタルによるキリン堂ホールディングスのMBOで、338億円のみです。
以下、2021年の調剤薬局M&A事例である17番、16番の詳細を見ていきましょう。

ココカラファインによる雅ファーマシーの買収

2021年2月22日、ココカラファインは、東京都内で調剤薬局2店舗を運営する雅ファーマシーを完全子会社化することを発表しました。

 

雅ファーマシーの2020年7月期では、売上高約4億円、総資産は約2億円です。買い手となるココカラファインの2020年3月期では、売上高4,000億円超、総資産2,000億円超ですので、大手企業が中小規模の調剤薬局を買収している典型的な事例となります。

 

ココカラファインはドラッグストアを店舗展開している大手企業ですが、近年では事例の数を見ても分かる通り、調剤薬局のM&Aを積極的に行っている企業の一つです。

クオールホールディングスによる勝原薬局の買収

2021年1月5日、クオールホールディングスは、調剤薬局11店舗を運営している勝原薬局の株式100%を取得することを発表しました。

 

勝原薬局は創業1915年、兵庫県淡路市を中心に多店舗運営する歴史のある調剤薬局です。

 

クオールホールディングスは2020年3月期では売上高1,600億円超、総資産1,000億円超の調剤薬局大手企業です。調剤薬局の大手企業が歴史のある中小規模の調剤薬局を買収した事例となります。

 

■まとめ

以上のように、例え規模の小さい調剤薬局であったとしても、大手企業からM&Aされることがある事が分かります。調剤薬局を買いたい、売りたい場合には、信頼のおける専門家に相談のうえ、慎重にM&Aを進めるようにしましょう。

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