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M&Aにかかる税金とは? 発生するタイミング・節税方法まで解説!

M&Aにかかる税金とは?  発生するタイミング・節税方法まで解説!

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M&Aを実行するときに注意したいのが税金です。思っている以上に多くの税金がかかり、後悔する可能性があります。より多くの現金を手元に残すために、節税の方法を確認しておきましょう。ここでは、M&Aにかかる税金の種類、発生するタイミング、節税方法について詳しく解説します。

■M&Aで発生する税金の種類

M&Aで発生する税金は、株式譲渡と事業譲渡で異なります。それぞれ、発生する税金の種類について詳しくみていきましょう。

株式譲渡で発生する税金

株式譲渡で発生する税金は、個人が所得税と住民税、法人が法人税、法人住民税や法人事業税です。それぞれの計算方法を詳しくみていきましょう。

 

【個人】
株式の売却価格-(株式の取得費用+譲渡費用)
=譲渡所得

 

譲渡所得×(所得税15%+復興特別所得税2.1%+住民税5%)
=株式譲渡によって納めるべき税額

 

一般的な所得税とは別の一律の税率で算出します。

 

【法人】
株式の売却価格-(株式の取得費用+譲渡費用)
=株式の譲渡所得

 

株式の譲渡所得×法人税等30%~40%
=株式譲渡によって納めるべき税額

 

法人税率は法人の課税所得金額に応じて変動します。

事業譲渡で発生する税金

事業譲渡で発生する税金は、法人税等と消費税です。法人税は法人にのみ課税されるため、個人は消費税のみ納めます。

 

①法人税
事業の譲渡価格-(譲渡する資産+譲渡する負債)
=事業の譲渡所得

 

事業の譲渡所得×法人税30%~40%
=事業譲渡によって納めるべき税額

 

②消費税
(譲渡価格-課税対象ではない資産の価格)×消費税
=事業譲渡によって納めるべき税額

 

■M&Aで発生した税金を支払うタイミング

それでは、M&Aで納税義務が発生した税金はいつ支払えばいいのか、詳しくみていきましょう。

個人の場合

個人の譲渡所得にかかる所得税と住民税を支払うタイミングは確定申告のときです。その年度の1月1日~12月31の間の所得を翌年の3月15日までに確定申告をして、然るべき税金を納めます。買い手を探して最終契約を締結するまでには、半年~1年ほどかかることが多いため、納税のタイミングが翌年に持ち越されるケースが少なくありません。

法人の場合

法人税は、決算期から2ヶ月以内に支払うことが原則です。例えば、事業年度が3月末の場合は5月末までに支払います。譲渡のタイミング次第では、1年以上も納税の支払いが遅くなる場合もあるため、資金を使い果たさないように注意が必要です。

 

■M&Aの税金を抑えるための節税対策

M&Aの税金を抑えることで、結果的により多くの資金が手元に残ります。それでは、M&Aの税金を抑えるための節税対策について詳しくみていきましょう。

取得費や譲渡費用を上げる

取得費や譲渡費用を上げることで譲渡所得が低くなるため、結果的に税金を抑えることが可能です。しかし、ここでいう譲渡費用は仲介会社やM&Aアドバイザーに支払う報酬額のため、意図的に上げることはできません。仮に上げられたとしても、手元に残るお金が増えるわけではないため、一切のメリットがないのです。

 

そのため、M&Aの税金を節約したい場合は、取得費を上げましょう。取得費とは、売却する株式の取得にかかった費用のことです。

 

税務上、取得費が明確ではない場合には、売却価格の5%として計算できます。また、取得費が売却価格の5%を下回る場合は5%として計算します。

 

例えば、1,000万円の出資で設立した会社を5億円で売却する場合には、5億円の5%にあたる2,500万円を取得費にできるため、1,500万円の節税効果を得られます。

事業譲渡を選択する

事業譲渡は取得費を大きくすることで株式譲渡と比べて売却益が少なくなり、税額が安くなることもあります。ただし、節税効果だけで事業譲渡を選ぶのはおすすめできません。M&Aは、シナジー効果や経営の安定化など、本来の目的を達成できる方法を選ぶことが大切です。

退職金を増やす

事業承継後に引退する場合は、売却益の一部を退職金に充てることで節税できます。退職金には、退職所得税などが課税されます。

 

(退職金支給額-退職所得控除額)×0.5×税率-控除額

 

なお、税率は累進課税の仕組みで5~45%の範囲で決まります。そのため、売却益の大部分を退職金に充てると、結果的に手元に残る金額が少なくなります。節税効果を高めたい場合は、一時金としてではなく、定期的に小額ずつ受け取ることが大切です。

兄弟会社を設立して不要な資産を移しておく

会社分割によって兄弟会社を設立すると、会社間で不要な資産を移動できるようになります。例えば、社長の車や社宅、銀行の預金など、買い手側にとって受け取るメリットがないものを兄弟会社に移しておくことで、結果的に譲渡所得が少なくなって税金を抑えられます。

 

■M&Aの節税対策における注意点

M&Aの節税対策を行うときは、次のことに注意が必要です。

財産の移動時に税金が発生する場合がある

財産の移動時に別途税金が発生して、結果的により多くの税金の支払いが必要になる場合があります。例えば、買い手が不動産を取得するときは、不動産取得税が必要です。さらに、不動産登記には登録免許税が発生します。

 

ただし、これらの税金は買い手が支払うため、会社や事業を売却する側には関係がありません。将来的に会社や事業を取得するときのための予備知識として覚えておきましょう。

印紙税にも注目が必要

M&Aを行うときは、契約書を作成することが基本です。一般的に、契約書には印紙を貼ることで印紙税を納める必要があるのですが、株式の売買における契約書は課税対象外のため、印紙税は発生しません。

 

ただし、株式の売買における売却益にかかる領収書は課税対象のため、領収書に印紙を貼ることで印紙税を納める必要があります。M&Aでは高額な売買になるため、印紙税も注目しておくとよいでしょう。

 

また、事業譲渡では通常どおり契約書に印紙を貼ることで印紙税を納める必要があります。印紙税は最大60万円です。

税務リスクを認識しておく

誤った節税方法を実行した場合、将来行われる税務調査で問題が発覚して、追納を求められる恐れがあります。税金に関しては、このようなトラブルが起こりがちなため、十分に注意が必要です。また、悪質性が高い脱税とみなされた場合は、重加算税の支払いが必要になり、そのときの資産状況によっては窮地に立たされる可能性があります。

 

税務調査が行われる時期は予測がつかないため、はじめから法的に問題がない節税を行うことが大切です。
 

■M&Aの税金について不明点は税理士に確認が必要

M&Aの税金については、税務リスクを抑えるために、不明点を税理士に確認しておくことが大切です。買い手と売り手をマッチングするサービスを提供しているビスカスなら、実績豊富な税理士を紹介できます。

 

もちろん、M&Aの仲介まで全て一任できるため、経営者の負担が大きく減るでしょう。ベストな買い手を見つけてM&Aを実行できれば、より多くの売却益を得ることが期待できます。

 

■まとめ

M&Aで発生する税金は、「個人と法人」、「株式譲渡と事業譲渡」で異なります。売却益が高くなるほどに税額も大きくなるため、節税を意識することが大切です。ただし、間違った節税は税務リスクが高くなるため、信頼できる税理士にサポートを依頼した方がよいでしょう。

加藤良大(ライター)
M&Aに関する実績は200本以上。M&Aの基本情報から仲介会社・アドバイザーの選び方まで、様々な記事を執筆。難しい言葉を使わず、現場の実情まで踏まえた正確かつわかりやすい記事が好評。
人事・労務や法律、不動産、医療など専門的な分野を幅広く執筆している。累計実績14,000本以上、ライター歴7年。
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