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倒産の危機を招く資金ショートに要注意!原因と対策を解説

倒産の危機を招く資金ショートに要注意!原因と対策を解説

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「資金ショート」という言葉を見聞きしたことはあっても「どのような事象を指すのかよくわからない」「赤字とどう違うの?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
  ここでは、資金ショートの意味やその原因、資金ショートの防止策について解説します。

手元に資金がなくなる「資金ショート」とは

まずは、資金ショートの意味や赤字との違いについて理解しましょう。

資金ショートが起きるとどうなる?

「資金ショート」とは、手元に現金・預金などの資金がなく、納税や融資の返済、家賃や従業員の給与の支払いなど、経営を続けるために必要な支出ができなくなることです。
 

いくら業績が好調でも、資金ショートの状況が続くと事業を存続できなくなり、倒産の危機に陥ります。支払いが必要なときに資金が用意できるよう、資金管理=資金繰りを行うことは企業にとって大変重要です。

赤字と資金ショートの違いとは

「資金ショート」は倒産を招く危険性がありますが、同様に倒産のリスクを高める事象として「赤字」があります。
 

「赤字」とは、1事業年度において収入よりも支出が上回っている状態のことです。ただし、ある事業年度において赤字であったからといって、即倒産に結びつくとは限りません。
 

たとえば、その事業年度に大きな設備投資を行ったために、赤字になっている場合があるからです。赤字になっても、手元に資金があれば事業は続けられますし、翌事業年度には利益が出て、設備投資にかかったお金を取り戻せる可能性があります。
 

一方、黒字であっても、支払期日までに必要な資金がなければ倒産する可能性があります。

資金ショートが起きる原因

資金ショートを引き起こす事象について見てみましょう。多くのケースで、複数の事象が重なって資金ショートが起きます。

経営状況に原因があるもの

資金ショートを引き起こす大きな要因として挙げられるのが、売上の減少や支出の増加など経営状況に関するものです。
 

月単位で売上に多少の増減の波があること自体に問題はありませんが、急激に売上が減少した場合は要注意です。家賃や人件費など、月々決まって発生する支払いに影響を及ぼす可能性があるからです。
 

売上の推移は問題なくても、トラブルなどによって予定外の支出が発生すると、月々の支払いができなくなることがあります。また、月々の支払いを圧迫するような過剰な設備投資も、資金ショートを引き起こす一因となります。

予見できない不測の事態によるもの

売上を予測して計画的に予算を組んでいても、自然災害や取引先の倒産といった不測の事態により、資金ショートに陥ることがあります。
 

製造業の場合、台風や地震などで工場が被災すると、製造がストップしてしまいます。損害によって支出は増えるうえに売上は激減し、資金繰りに行き詰まってしまうのです。
 

取引先の倒産も、予測するのが難しい出来事です。倒産した取引先に対する売掛金が回収できないと資金ショートに陥り、自社もまた経営危機に見舞われる可能性があります。

キャッシュフローの管理不足

売上から決まった支払いを行うための資金を手元に残していない、あるいは売掛金の回収ができていない、つまりキャッシュフローの管理ができていないことも、資金ショートに陥る要因です。
 

特に売掛金の回収サイクルが長いと、手元の現金が不足しやすくなります。キャッシュフローをしっかり管理し、現金が不足しそうな時期を予測して資金を確保しましょう。

資金ショートを防止するには

資金ショートを防止する方法には、資金ショートの危険性にかかわらず取り組んでおきたいことと、いよいよ危ういというときに取る手段があります。

キャッシュフローを把握する

キャッシュフロー、つまりお金の出入りを把握することが、資金ショートの防止につながります。キャッシュフローを把握するには、資金繰り表を作成することをおすすめします。資金ショート防止のため、資金繰り表の作成は日ごろから取り組みたい対策です。
 

資金繰り表は、現金の出入りについて予測と実績を記載したものです。実績だけでなく、予測の金額も記載することで、資金が不足しそうなときには金融機関に融資を申し込んだり、支払期日を伸ばしてもらったりするなどの対策ができます。
 

資金繰り表は、金融機関への融資申し込みの際にも必要になります。また、資金繰り表を見れば、取引先に対する請求漏れや未入金も確認できます。

コストを見直して経営のスリム化を図る

シンプルな方法ですが、コストの抑制は手元に現金を残す有効な方法です。事業に使っていない建物や設備を売却したり、通信費や光熱費などの固定費を見直したりすることで、支出を抑えられます。資産ショートに陥る心配がないときも、定期的に遊休資産や固定費の状況をチェックしましょう。
 

また、節税も支出の抑制につながります。経費を計上して利益を減らすことで、法人税の納税額を減らせます。ただし、経費を計上しすぎて手元に現金が残らなくなったということがないよう、気を付けましょう。
 

過剰な在庫は適切な時期に処分しましょう。在庫を抱えていると保管のためにコストがかかります。賞味期限がある食品や、トレンドがある衣服などは「売れる時期」を逃してしまうと利益を生まなくなってしまいます。

社外と交渉して現金を手元に残す

手元の現金が足りなくなったとき、いちばん活用される対処法は金融機関からの融資です。金融機関からの融資のほかに、生命保険の契約者貸し付けや解約した返戻金を資金に充てる方法もあります。また、キャッシング機能のあるクレジットカードを複数枚所持しておけば、いざというときにキャッシングを支払いに充てられます。
 

ところで、自社の経営は問題なくても、取引先が倒産して売掛金が回収できず、資金ショートや連鎖倒産に陥るケースもあります。そのような事態に備えるのが、国の共済制度である「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」です。月々の掛け金を支払うことで、「回収困難となった売掛金債権等の額」か「最大掛け金の10倍(最高8,000万円)」の少ない方の金額までを貸付金として無担保・保証人なしで借りられます。不測の事態による資金ショートへの備えとして、活用をおすすめします。
 

資金をつくる以外に、税金の納付期限や取引先への支払いを延長してもらうのも資金ショートを防ぐ方法です。税金が支払えない場合、納税が猶予されることがあります。税務署や県税事務所などに事情を話してみましょう。
 

ただし、取引先への支払い延長依頼は慎重に行わなければなりません。取引先には自社が資金繰りに苦しんでいることがわかってしまい、その後の取引に影響を与える可能性があるからです。

まとめ

手元の現金・預金が不足し、家賃や光熱費、税金、取引先への支払いなど事業存続に必要な支出ができなくなる資金ショート。売上の減少や売掛金の入金遅れ、災害や取引先の倒産など、さまざまな要因が引き金となって資金ショートは起きます。
 

「資金ショートするかもしれない」という事態になれば、金融機関の融資を頼りにしたり、税金などの支払い猶予を願い出たりして危機を乗り越えることになりますが、日ごろから対策をすることでリスクを低減できます。
 

資金ショートを防ぐには、普段からキャッシュフローの管理を行い、定期的に固定費などを見直して手元の現金・預金をつねに意識しておく必要があります。また、取引先の倒産に備えて経営セーフティ共済に加入しておくと安心です。

長谷川よう(ライター)
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
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