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M&Aに利用できる事業承継・引継ぎ補助金とは? 対象者や手続きを解説

M&Aに利用できる事業承継・引継ぎ補助金とは?  対象者や手続きを解説

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経営者の高齢化や少子化などで、M&Aによる事業承継や後継者への引き継ぎが増えています。しかし、M&Aによる事業承継や後継者への引き継ぎには資金が必要であるなどのハードルがあります。
そこで利用したいのが、M&Aに利用できる事業承継・引継ぎ補助金です。この記事では、事業承継・引継ぎ補助金の対象者や手続きを解説します。

■M&Aに利用できる事業承継・引継ぎ補助金とは

最初に、M&Aに利用できる事業承継・引継ぎ補助金がどのようなものかを見ていきましょう。事業承継・引継ぎ補助金とは、名前の通り、事業承継や引継ぎに対する補助金のことです。

 

事業承継・引継ぎ補助金は次の2つを補助することにより、経済を活性化させることを目的としています。

 

  • 中小企業者等が事業承継を行い、新しい取り組みなどを行う場合の費用の一部
  • 事業再編、事業統合を行い、経営資源の引継ぎをする場合の費用の一部

 

事業承継・引継ぎ補助金は、大きく分けて経営革新と専門家活用の2つのタイプがあります。経営革新はさらに、創業支援型・経営者交代型・M&A型に分かれます。専門家活用はさらに、買い手支援型・売り手支援型に分かれます。

 

事業承継・引継ぎ補助金の申請の受付には1次募集と2次募集があります。ちなみに令和2年度第3次補正予算分についてのそれぞれの期間は、次の通りです。

 

  • 1次募集:2021年6月11日(金)~2021年7月12日(月)
  • 2次募集:2021年7月13日(火)~2021年8月13日(金)18:00

 

■事業承継・引継ぎ補助金の2つのタイプ

事業承継・引継ぎ補助金は、大きく分けて経営革新と専門家活用の2つのタイプがあります。ここでは、それぞれの補助金の内容を解説します。

経営革新に対する補助

経営革新に対する補助とは、事業承継やM&Aをすることで、事業再構築や設備投資、販路開拓などの経営革新等をするための費用の一部を補助するものです。新しい商品の開発やサービスの提供を行ったり、新たな顧客層の開拓に取り組んだりするために利用することができます。

 

経営革新は創業支援型・経営者交代型・M&A型に分かれます。各タイプの対象者や要件、補助金の金額などは次の通りです。

 

・対象者と要件 ※下記の表以外にも詳細の規定あり

タイプ 対象者 要件(すべてを満たす必要あり)
創業支援型 廃業を予定している者等から有機的一体として機能する経営資源を引き継いで創業して間もない中小企業・小規模事業者 ・創業をし、引き継いだ経営資源を活用して経営革新等に取り組む者
・産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者
経営者交代型 事業承継(事業再生を伴うものを含む)を行う中小企業者等 ・事業承継し、経営革新等に取り組む者
・産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者
・地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等創業を契機として、引き継いだ経営資源を活用して経営革新等に取り組む者
M&A型 事業再編・事業統合等を行う中小企業者等 ・事業再編・事業統合等をして、経営革新等に取り組む者
・産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者等、一定の実績や知識等を有している者
・地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業等事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者

 

・補助対象経費
設備投資費用、人件費、店舗・事務所の改築工事費用など経営革新をするための費用

 

・補助額

タイプ 補助率 補助下限額 補助上限額 上乗せ上限額※
(廃棄費用)
創業支援型 対象経費の
3分の2以内
100万円 400万円 200万円
経営者交代型
M&A型 800万円

 

※事業転換により在庫処分費や、解体費などの廃業費用がある場合は上乗せがあります。

専門家活用に対する補助

専門家活用に対する補助とは、M&Aに係る専門家等の活用の費用の一部を補助し、M&Aによる経営資源の引継ぎを支援するものです。M&Aの成約に向けて取組を進めている場合や、M&Aに着手しようと考えている場合などに利用することができます。

 

専門家活用は、買い手支援型・売り手支援型に分かれます。それぞれのタイプの対象者や要件、補助金の金額などは次の通りです。

 

・対象者と要件 ※下記の表以外にも詳細の規定あり

タイプ 対象者 要件(すべてを満たす必要あり)
買い手支援型 事業再編・事業統合等に伴う経営資源の引継ぎを行う予定の中小企業者等 ・事業再編・事業統合等で、経営資源を譲り受けた後に、シナジーを活かした経営革新等を行うことが見込まれること
・事業再編・事業統合等で、経営資源を譲り受けた後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること
売り手支援型 事業再編・事業統合等に伴い自社が有する経営資源を譲り渡す予定の中小企業者等 ・地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業等を行っており、事業再編・事業統合で、第三者により継続されることが見込まれること

 

・補助対象経費
M&A支援業者に支払う手数料、デューデリジェンスにかかる専門家費用などM&Aに係る専門家等の活用の費用
 

・補助額

タイプ 補助率 補助下限額 補助上限額 上乗せ上限額
(廃棄費用)
買い手支援型 対象経費の
3分の2以内
50万円
 
400万円
 
なし
売り手支援型 200万円

 

■事業承継・引継ぎ補助金の交付までの流れ

ここまでは、事業承継・引継ぎ補助金の内容について見てきました。

 

事業承継・引継ぎ補助金は、先に対象となる費用を支払う必要があります。また、申請のための事前準備も必要です。そこで、ここでは事業承継・引継ぎ補助金の交付までの流れについて解説します。

 

(1)事前準備
事業承継・引継ぎ補助金は経済産業省が運営する補助金の電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を利用電する必要があります。電子申請するためのgBizIDプライムのアカウントを下記ホームページから取得します。「gBizIDプライム」アカウントの発行には2~3週間程度かかるため、早めの準備が必要です。

 

さらに、経営革新で補助金を利用するには、認定経営革新等支援機関への相談が必要です。認定経営革新等支援機関は、認定経営革新等支援機関検索システムなどで探します。

 

(2)交付申請
事前準備ができたら「jGrants(Jグランツ)」から交付申請を行います。事務局等で申請内容が審査され、問題なければ交付決定通知が届きます。

 

(3)事業実施・実績の報告
申請した内容の事業を実際に実施し、費用などを支払います。事業を実施したら、実績を報告します。

 

(4)補助金の交付
事務局等で実績を確認し、問題なければ補助金が交付されます。

 

(5)事業化状況報告
経営革新で補助金を利用した場合は、補助金の交付後に適宜、事業化状況報告等をする必要があります。

 

■まとめ

事業承継・引継ぎ補助金は、M&Aにも利用できる補助金です。ここまで解説してきた通り事業承継・引継ぎ補助金は、経営革新と専門家活用の2つのタイプに分かれます。経営革新はさらに、創業支援型・経営者交代型・M&A型に分かれます。専門家活用はさらに、買い手支援型・売り手支援型に分かれます。

 

それぞれのタイプで対象者や対象経費、補助金の額などが異なるため、自社に該当するものを選択する必要があります。また、事業承継・引継ぎ補助金の申請には、期限がありますが、追加募集が予定されていたり、各自治体独自の補助金があったりするケースもあります。M&Aで補助金を利用する際には、こまめに情報を確認する、税理士などの専門家に相談するなどの対策を行うようにしましょう。

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