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後継者がいない…そんなときは親族外承継で会社存続を

後継者がいない…そんなときは親族外承継で会社存続を

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親族内に会社の後継者が見つからず、会社存続が難しいと考えている経営者は少なくありません。しかし、近年は親族外への事業承継が増えており、親族内承継よりも件数は増えています。
ここでは親族外承継で会社を存続させる方法について解説します。従業員の雇用を守るためにも、親族外承継について考えてみてください。

親族内承継と親族外承継

事業承継は大きく「親族内承継」と「親族外承継」に分かれます。さらに、親族外承継は社内の役員や従業員に承継する「社内承継」と、社外の第三者に承継する「社外承継」があります。
近年、日本の中小企業は経営者の高齢化が進むと同時に、後継者不足に悩まされています。『中小企業白書(2021年)』によると、経営者が70代である中小企業のうち、38.6%の企業は後継者が決まっていないというデータがあります。
また、日本政策金融公庫研究所「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」(2020年)によると、後継者が決まらずに廃業する中小企業も少なくなく、廃業理由の約3割が後継者不在となっています。
「後継者不在」の中身を詳しく見ると「子どもがいない」と「子どもに継ぐ意思がない」が8割以上を占めています。
さらに、東京商工リサーチの調査によると、2007年~2015年における中小企業の事業承継は、親族外承継が親族内承継を凌駕しているという結果が出ています。
ここからは、親族外承継について詳しく見ていきましょう。

社内の役員や従業員への承継

まずは、親族外承継のうち、社内の役員や社員に事業承継を行う「社内承継」について解説します。社内承継には2つのかたちがあります。それぞれ見ていきましょう。

経営権だけを後継者に承継する

株式は前経営者が所有し続け、経営権だけを役員や従業員に承継させる方法があります。新経営者は株式を買い取る必要がないため、株式を買い取る資金力がない役員などでも経営能力があれば経営者になれます。
中小企業において「経営と所有の分離」が起きることについては、メリット・デメリットがあります。経営権だけを承継するメリット・デメリットについては後述します。

株式を後継者に承継する

株式と経営権のいずれも後継者に承継させる方法には、2つの方法があります。

①経営者から後継者への株式譲渡

中小企業の場合、経営者が持っている株式を後継者に買い取ってもらうことで「経営と所有」を一致させますが、後継者に株式を買い取るだけの資金力がない場合が少なくありません。そこで、後継者はBuyOut(バイアウト)という手法を使って株式を買い取ります。
バイアウトとは「会社の株式を買い取って経営権を握ること」で、後継者が従業員の場合はEBO(Employee Buy Out:従業員によるバイアウト)、役員の場合はMBO(Management Buy Out:経営陣によるバイアウト)とよばれています。
いずれのバイアウトにおいても、SPC(特定目的会社)とよばれる会社を設立し、SPCが金融機関から融資を受けます。SPCは現経営者が持っている株式を買い取って会社を合併し、後継者が新たな経営者になります(ただし、小規模事業の場合は、SPCを設立せずに経営者と新経営者の間で個人間売買を行うケースもあります)。
この方法をとれば、後継者個人で株式を買い取ることはできなくても、SPCが融資を受けて株式を買い取ることで、後継者に株式を承継させることができます。

②経営者から後継者への贈与・遺贈

贈与は贈る側と贈られる側の両者が合意の上、無償で資産を贈ることです。また、遺贈は遺言書を作成し、死後に資産を特定の人物に贈ることです。これらの方法で経営者が後継者に株式を譲渡することはできますが、経営者の親族の合意を得なければトラブルになる可能性があります。

社外の第三者への承継

経営者から社外の第三者へ承継を行う場合も、経営権だけを譲るパターンと株式を譲るパターンがあります。

経営権だけを社外後継者に承継する

株式は経営者が持ち続け、経営権だけ外部の人間を登用する方法です。この場合、取引先や付き合いのある金融機関から後継者を迎えることが多いです。

株式を第三者に渡す(M&A)

第三者への株式譲渡は、いわゆるM&A(Mergers & Acquisitions:合併と買収)の1タイプとされるものです。買い手企業が売り手企業の株式を買い取ったのちの動きによって、以下の2つのタイプに分かれます。

①合併
  • 新設合併…2つの会社をもとに新しく会社を設立し、合併する企業の法人格が消滅する。株主は新設法人の株式・社債を対価で受け取る
  • 吸収合併…買い手企業が売り手企業の株式を買い取る、または売り手企業に株式・社債を対価として渡したのち、売り手企業の法人格を消滅させて買い手企業に吸収する

②買収

買い手企業が売り手企業の株式を買い取ったのち、売り手企業の経営権を握って法人格は存続させる

親族外承継のメリット・デメリット

親族外承継は社内承継と第三者承継に大別されますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

社内承継のメリット・デメリット
【メリット】

事業承継を考えるとき、まずは親族内承継が可能か検討してから社内承継を考えるケースが多いと思われます。親族内よりも後継者の選択肢が広がることが、社内承継のメリットです。
また、親族外とはいえ、会社のことをよくわかっている人に承継できるため、社内の合意を得やすく、スムーズに事業承継を進められます。事業承継前後で経営が大きく変わらない可能性があり、経営者としては安心できる面も多いでしょう。

【デメリット】

社内承継の大きなデメリットとして、後継者に負担がかかることが挙げられます。中小企業において、株式の所有と経営の分離は、オーナーと経営者の意見が分かれると従業員が混乱するため、望ましくないとされています。そのため、後継者は経営者から株式を承継することが理想ですが、そのための資金が必要になります。
後継者に十分資金がない場合、MBOやEBOといった方法を活用することになります。ただし、株式の取得を目的とした融資は一般的に審査が厳しく、SPCが確実に融資を受けられるとは限りません。
また、経営者の個人保証が後継者に引き継がれるのも、社内承継のデメリットです。個人保証の引継ぎに抵抗感を覚える後継者候補も多く、金融機関に個人保証を外してもらうよう交渉する必要があります。

第三者承継のメリット・デメリット
【メリット】

第三者承継のメリットも、後継者の選択肢が多いことが挙げられます。社外の第三者に会社が引き継がれると、これまでと社内の雰囲気が大きく変わり、会社がさらに大きく発展できる可能性を秘めています。
また、経営者は最終的に経営から身を引くことになり、経営の重圧から解放される点もメリットです。

【デメリット】

社外の第三者に会社が譲渡されると、買い手企業によって経営方針が大きく変わる可能性があります。また、従業員の中には新しい経営者の方針と合わず、退職する人が出たり、従業員の解雇が行われたりするリスクもあります。

まとめ

近年、中小企業の事業承継は親族外承継が半数を占めています。親族外承継は社内承継と第三者承継に大別され、いずれも経営者が持っている株式を承継させる方法が望ましいとされています。
 

社内承継は会社のことをよく知っている人間に会社を引き継ぐことができ、社内の同意を得られやすく経営の交代もスムーズにいくというメリットがありますが、株式の買取は後継者にとっては高いハードルとなります。
 

一方、M&Aによる第三者への事業承継は、株式譲渡後に会社が大きく飛躍できる可能性はあるものの、どのように扱われるのか不安が残ります。
 

親族外への事業承継を考えておられる経営者の方は、社内・第三者のどちらの可能性も探りながら、計画的に事業承継を進めていきましょう。

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