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M&Aの成功報酬はレーマン方式で算出!成功報酬の算出方法や適用される利率の相場を解説

M&Aの成功報酬はレーマン方式で算出!成功報酬の算出方法や適用される利率の相場を解説

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M&Aの実施を専門家へ相談する際に、その報酬体系や相場を知っていることは重要です。M&Aにおける成功報酬は、一般的にレーマン方式と呼ばれる手法で算出しますが、この方式がどのようなものかご存じでしょうか?今回はM&Aの成功報酬を算出する際に使用するレーマン方式の概要、レーマン方式ならどの程度の成功報酬が相場であるのか、成功報酬の算出の際に意識すべきポイントについてご説明します。

成功報酬の算出に利用されるレーマン方式

そもそも成功報酬とは

成功報酬とは「依頼された目的を達成したことに対して支払われる報酬」を指します。M&Aにおける成功報酬とは、M&Aの契約が成立した際に支払われる報酬です。M&Aの仲介会社やM&Aアドバイザーなどに対して、契約を成立させてくれた対価として支払われます。

大半のM&A仲介会社で利用されるレーマン方式

成果報酬の算出方法はいくつか存在しますが、大半のM&A仲介会社ではレーマン方式が利用されています。レーマン方式は取引金額に応じて成功報酬の割合が変化し、高額になればなるほど成功報酬が少しずつ減少する仕組みです。なお、成功報酬は仲介会社などの収入源であるため、最低金額が設けられている場合もあります。そのような部分も含めて、M&Aの際はレーマン方式に目を向けるようにしておきましょう。

「移動総資産ベース」と「株式価額ベース」

レーマン方式で成功報酬を算出する際に利用する取引金額の算出方法には、「移動総資産ベース」と「株式価額ベース」の2つの方法があります。それぞれの意味は以下のとおりです。
 

  • 移動総資産ベース:負債も含めて移動したすべての資産額をベースで算出する
  • 株式価額ベース:負債は含めずM&Aで譲渡した株式価額ベース(譲渡対価ベース)で算出する

 

これらの大きな違いは成果報酬の算出にあたって負債を含むかどうかです。移動総資産ベースの場合は負債も含めて算出するため、負債額が大きいと成功報酬が高額になってしまいます。例えば「株式価額が6億円、負債額が3億円の会社」をM&Aをする場合、移動総資産ベースならば9億円、株式価額ベースならば6億円で成功報酬が算出されます。そのため、算出対象の違いによって成功報酬の金額に大きな差が出ることになります。

レーマン方式の報酬利率相場

成功報酬の利率相場

レーマン方式を採用しているM&A仲介会社はおおむね成功報酬の相場が似ており、以下の報酬利率が採用されています。

取引金額 成功報酬率
5億円までの部分 5%
5億円を超えて10億円までの部分 4%
10億円を超えて50億円までの部分 3%
50億円を超えて100億円までの部分 2%
100億円を超える部分 1%

 

成功報酬は取引金額に応じて5%から1%ずつ下がっていく傾向にあります。成功報酬率の最低割合は5%が相場であり、ここからどの程度下がっていくかにM&A仲介会社の特徴があると理解しておくと良いでしょう。ただ、上記のような成功報酬率が相場であるため、何かしら特定の条件が加えられない限り、極端に成功報酬が安くなることはありません。

成功報酬の算出方法

レーマン方式は成功報酬率が段階的に減少する算出方法であり、ひとつの成功報酬率だけを利用する方法ではありません。例えば、取引金額が8億円の場合は以下のように算出します。
 

5億円×5%+3億円×4%=3,700万円
 

取引金額が8億円であるため「4%」を利用して成果報酬を算出することはイメージできるでしょう。ただ、レーマン方式は4%のみを利用して算出するのではなく、5億円までの部分は5%を利用して算出します。つまり、5億円までの部分は成功報酬率を5%として算出し、残りの3億円は成功報酬率を4%として算出される仕組みです。

利率を踏まえた報酬相場例

上記でレーマン方式による成功報酬率の相場についてご説明しました。以下では取引金額に応じてどの程度の成功報酬になるのかを具体的に例示します。
 

取引金額 算出式 成功報酬額
3億円 3億円×5% 1,500万円
6億円 5億円×5%+1億円×4% 2,900万円
22億円 5億円×5%+5億円×4%+12億円×3% 8,100万円
58億円 5億円×5%+5億円×4%+40億円×3%+8億円×2%

1億8,100万円
130億円 5億円×5%+5億円×4%+40億円×3%+50億円×2%+30億円×1%

2億9,500万円

レーマン方式の相場に従って計算すると上記のような成功報酬額となります。段階的に成功報酬利率が下がっていくため、取引金額が大きくなればなるほど成功報酬額は相対的に下がることになります。100億円を超える部分の成功報酬利率は1%が相場になっているため、100億円を超える取引では極端に成功報酬率が下がってしまいます。

成功報酬の相場について意識すべきポイント

最低保証額が存在するかどうか

成功報酬に最低保証金額が存在するかどうかを確認しておきましょう。多くのM&A仲介会社では最低保証額を定めています。相場から自分で算出した金額よりも最低保証額が多いと想定外の支払いとなるため、最低保証額の確認は必要です。最低保証額がどの程度の金額であるかは、利用するM&A仲介業者によって大きく異なります。こちらは相場が明確ではないため、M&Aの際に確認して比較する必要があります。

算出対象は合っているか

成功報酬を算出する際には取引金額を利用します。この取引金額の算出方法は「移動総資産ベース」と「株式価額ベース」の2種類あるため、自分が意図しているものか確認しましょう。特に算出方法が移動総資産ベースであると想定よりも多くの成功報酬を支払うことになりかねません。算出対象が自分の意図したものであるかどうかは、M&Aの契約書で確認できます。契約を結ぶ際に必ず内容を確認して、想定外の成功報酬を支払う状況は避けるようにすべきです。

手数料は相場から離れていないか

ご説明した手数料相場から成功報酬が離れていないか確認しておきましょう。上記の値は相場ではありますが、すべてのM&A仲介会社が上記の利率で成果報酬を算出しているわけではありません。例えばM&A仲介会社の中には、上記のレーマン方式をカスタマイズしている場合があります。相場どおりで他社と横並びにするのではなく、成功報酬に独自性を持たせている場合があるため、必ず確認が必要です。

中間報酬などとの関係性はどうか

中間報酬を設けている場合、中間報酬と成果報酬のバランスについても確認が必要です。それぞれが独立しているM&A仲介会社もあれば、相互に関連しているM&A仲介会社もあります。中間報酬と成果報酬の関係については明確な相場が存在していません。各社が独自の考えで報酬を設けているため、M&A仲介会社を探す際の比較ポイントとして意識しておくといいでしょう。

☆ヒント
M&Aが成立した際はレーマン方式によって算出した成功報酬を支払う場合が多くあります。場合によっては高額な成功報酬を支払うことになるため、M&Aについてまずは顧問弁護士へと相談し、費用も含めて事前に準備しておくと安心です。

まとめ

今回はM&Aの成功報酬の算出で利用されるレーマン方式についてご説明しました。すべてのM&A仲介会社で利用されているわけではないものの、広く利用されている基本的な算出方法であるため、その計算方法を正しく理解しておきましょう。なお、成功報酬の相場を理解するにあたっては、成功報酬の割合だけではなく算出対象や中間報酬などとの関係性にも注目すべきです。まずは多くのM&A仲介業者やM&Aアドバイザーへの成功報酬算出の際に利用されているレーマン方式について理解しつつ、総合的な観点で評価するためにもその他の計算方法にも目を向けましょう。
 

松崎ぶっち(ライター)
立命館大学卒。
在学中に起業・独立などにあたり会計や各種監査などの法規制に対応するためのシステム導入ベンダーを設立。紆余曲折を経て多くのシステムを経験。
システム導入をされるお客様の起業活動を通じて得た経験、知見を活かし皆さんの気になるポイントを解説します。
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