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スモールM&Aを仕掛けて規模拡大を目指す!

スモールM&Aを仕掛けて規模拡大を目指す!

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スモールM&Aという言葉が浸透しつつあります。これまではM&Aは資金力に余裕のある大企業が行うものというイメージがありましたが、昨今では取引金額が小さなスモールM&Aが脚光を浴びています。今回はM&Aについて実務的かつテクニカルな内容ではなく、買収側目線を中心にスモールM&Aについてご説明したいと思います。

■スモールM&Aが注目されている理由

そもそもスモールM&Aとは?

最近よく聞くようになった「スモールM&A」ですが、特に明確な定義はありません。規模の小さなM&Aという点は共通していますが、M&Aのアドバイザリ企業などが、それぞれの定義で呼んでいます。

M&Aは上場大手企業が行うというイメージが長年ありましたが、非上場の小さな企業も行うのが一般的になってきています。中小企業もM&Aの売却側、買収側どちらにもなる時代と言って良いでしょう。

M&Aは1985年の統計開始以降、一時的な減少はあるものの、全体的には増加傾向にあり、国内企業の99%以上を占める中小企業もM&Aの対象(売り買い双方)となることが多くなっています。

起業とM&A (前半)

昨今の起業ブームにおいてもスモールM&A(企業買収)は脚光を浴びています。起業とは0から1を作り出すことですが、それに対してM&A(企業買収)は個人が会社を買収して事業承継を行うこともできるので、買い手としては0から1の段階を経験せずに済みます。話題になっている「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」等はこのような内容の本になっています。例えば、大手上場企業の役員にまで出世した50代の方で独立を考えている方は0から1を作り出す起業よりもすでに1から10になっている中小企業をマネジメントするスキルに秀でていると考えられます。そのような方に対して、0から1を作り出す「起業」よりも小さな既存事業を買収する「スモールM&A」を推奨するような内容です。

M&Aにおける「買い手」はすでに事業を行なっている個人事業主や中小企業だけではなく、これから独立する方も対象になってきていると言えるでしょう。

起業とM&A(後半)

特にIT業界で起業が増加し、出口戦略としてのM&A(売却)が定着化しています。起業のロマンとして少額出資で起業し、育てた会社を上場させて、巨額の富を得るというストーリーは一般的です。ただし、起業後順調に上場まで行く企業は1%もないのが実態です。多くの企業は起業後3年から5年以内に廃業となっているという指摘もあります。運良く順調に成長する企業でもっとも現実的な出口戦略は同業他社や大手企業などに買収されるパターンです。このような売却という出口戦略の中でもある程度大きくなる(=スケールする)のを待たずに小規模のままで身売りするパターンも増加してきています。早い段階で身売りする理由はいくつかありますが、自分の起こした事業をもっと素早く規模拡大したいという起業家の思いなどがあげられます。

買収する側として、買収対象は「起業とM&A(前半)」でお話したような中小企業だけでなく、将来有望なベンチャー企業も対象となっているということです。

 

■小規模でも買われる(買うべき)企業の特徴

優秀な社員がいる

企業買収を検討する際は、その企業の提供するプロダクトやサービスも重要ですが、そのプロダクトやサービスを作り出した(起業した)人材、支えている人材(従業員)の質が重要です。多くの業種で人材不足が嘆かれている昨今、優秀な社員がいたことで買収が決まった事例もあります。ただし、起業した本人(所有者兼経営者)が売却後、売却先企業で働く例はどちらかというと少ないでしょう。起業する人は0から1を作ることに長けている場合が多く、売却後の売却先企業内で働くことにあまり興味を持たないのではと推測できます。起業した本人(所有者兼経営者)以外では、例えばIT企業であればCTO(最高技術責任者)など、事業の鍵となる役員や優秀な社員をうまく引き継げるかどうかが買収のポイントになるでしょう。

今後、労働者人口が確実に減少していく日本国内において、M&Aの持つ優秀な人材の確保という意味はより一層重要になっていくと思われます。

ニッチな市場に強い

大きく伸びる可能性のあるプロダクト・サービスだけでなく、小さくても特定市場に強いwebサイトなどが買収された事例も増えています。ニッチな市場で安定的に顧客を確保し続けることができるようなプロダクト・サービスは同業他社や近隣業界の企業に買収されやすくなっています。

ニッチ市場におけるマーケットシェア(市場シェア)が例えば80%など上位であれば、業種業態によりますが、興味を持つ企業はそれだけ多くなります。ただし、シェア自体は15%程度と低くても、シェア上位3社以内に入っているなどすれば評価が高くなります。ニッチな市場で圧倒的な知名度、プレゼンス(存在感)を持っているかどうかが重要です。

安定的なキャッシュフロー(CF)が見込める

現金・預金の流れであれキャッシュフローが安定した経営をできている企業は買収先として高く評価されます。しかし、業種によってキャッシュフローに余裕が出やすいものと出にくいものと濃淡がありますので、買収する際は同業他社と比較して検討することが重要です。

ただし、当然ですがキャッシュフローがじゃぶじゃぶ出ている企業は価格も高くなります。

特許など、特別な技術には気をつける

特許を取るような特異な技術を持つ企業を買収する際は注意が必要です。特殊な技術を持っているだけで魅力的に映ることが多いのですが、例えば、試作品も含めてプロダクトに落とし込めていない場合は、その可能性だけで買収を判断するという側面がでてきます。高い金を払って買収したけど、商品化できなくて、結局投資分を回収できなかったという事例も実際にあります。当然のことのように感じるかもしれませんが、対象企業の保有する技術が自社(買収側)の人材で理解できる範囲かどうかは重要です。

 

■まとめ

日本においてスモールM&Aが定着化してきています。売買規模の小さなM&AであるスモールM&Aの増加は、規模拡大を目指す中小企業にとって追い風です。今後もスモールM&Aの流れは増加していくと考えられます。

買収側として、良いスモールM&A(買収)を行うために早い段階から専門家とリレーションを取り、情報を得ることが重要です。

情報を得た後でも、対象先企業の価値を正確に測るためには専門家の力が必要不可欠です。M&Aに強い税理士などに早い段階から相談するようにしましょう。

売却側として、起業時から出口戦略を強く意識した経営戦略が重要です。最初から売却を意識して起業する人は少数かもしれませんが、どのような出口があり得るかは知った上で経営した方が良いでしょう。起業時などから出口戦略についても助言してくれるような専門性の高い税理士を迎え入れておくと心強いです。

uen0(ライター)
政府系金融機関にて約5年法人融資業務に従事。年商1,000万円から200億円まで様々な規模、業種を担当。融資だけでなく、外為、M&A等にも携わる。現在は自身の起業を準備をする傍、個人事業主や起業家向けコンサルティング業務を行っている。
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