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事業承継に悩む個人事業主の方必見! 事業承継補助金の募集が7月にスタート

事業承継に悩む個人事業主の方必見!  事業承継補助金の募集が7月にスタート

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事業承継に際して国から補助金が支給される「事業承継補助金」の制度をご存知でしょうか。2種類のタイプのうち、後継者がおらず、社外・他者への承継を行う場合に申請ができる「【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型」の募集が、今年の7月から始まります。本記事では、事業承継にまつわる一般的な問題を概観し、事業承継補助金の制度を解説します。

■事業承継の問題と国の支援

事業承継の準備とよくある悩み

事業承継は、一朝一夕でなせるものではありません。後継者の選定と育成から具体的な計画の策定と実行まで、一般的な事業承継のプロセスには5~10年を要すると言われており、長期的なスパンで準備を進めていく必要があります。

中小企業経営者の高齢化を受け、今後多くの企業が事業承継のタイミングを迎えるものと予想されます。しかし、事業承継の準備を先送りしていたがために、代替わりを諦めて廃業を余儀なくされるというケースも少なくありません。早い段階から後継者の適性を見極めて育成し、事業承継の体制づくりに努めることが求められますが、現実にはなかなか一筋縄で行かないことが多いようです。事業継承の取組みにおいて直面する問題として、一般的には以下のようなものがあります。

・後継者選びと教育

近年、中小企業における後継者の確保がますます困難になっており、子どもなど経営者の親族内だけでなく、社内の役員や従業員を後継者に選ぶ親族外承継の割合が増えています。適性を見極めて後継者の選定を行った後には、順次、経営の基盤やノウハウを引き継いでいきますが、こうした後継者教育は充分な準備期間を設けて行うことが重要です。

・古参社員の扱い

古参社員が周囲から絶大な信頼を得ている場合、古参社員と後継者が対立して会社の経営に支障をきたすことが考えられます。社内で強い影響力を持つ人物には、できる限り現経営者が自ら後継者の選定理由や承継後の新体制について説明するなどして、事業承継がスムーズに行われるように調整するとよいでしょう。

・承継する人物が周りにいない

親族内にも社内にも後継者が見つからず、自分の代限りで廃業すると決意する経営者の方が近年では多くなっています。しかし、M&A等による社外の第三者への譲渡によって、事業の存続を図るという方法もあります。会社の名前は残らないかもしれませんが、ただ廃業する場合よりも、現在の従業員の雇用を維持できる可能性が高くなります。

国の支援

中小企業庁は、今後10年間を事業承継支援の集中実施期間と位置付けており、事業承継のプロセスを以下の3つのステップに分けて、各段階に応じた支援を行っています。

・承継の準備

事業承継診断の実施や、無料の専門家派遣によって、経営者の相談に乗りながら事業承継の準備をサポートします。後継者が見つからない場合には、各都道府県に設置された「事業引継ぎセンター」で、M&Aのマッチングを支援します。

・承継の実行

承継に係る贈与税や相続税を優遇する「事業承継税制」の他、M&Aによる承継にも税制措置による後押しがあります。承継に要する資金についても、公的な金融支援を得ることができます。

・承継後のチャレンジ

「事業承継補助金」によって、承継後の設備投資や販路拡大を補助します。次項で詳解するこの補助金制度の他にも、商工会議所との連携のもとで事業承継後の計画を実行する小規模事業者を対象とする「持続化補助金」などがあります。

■事業承継補助金とは?

目的

事業承継補助金は、事業承継をきっかけとして経営革新や事業転換などを行う企業を対象に、その経費の一部を助成することにより、中小企業の新たな需要や雇用の創出を促し、日本経済を活性化させることを目的としています。
補助金には「【Ⅰ型】後継者承継支援型」と「【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型」の2種類があり、Ⅰ型の一次募集は2018年6月8日に締め切られましたが、Ⅱ型は7月上旬に募集開始を予定されています。

補助の条件

事業承継補助金に応募できるのは、日本国内で事業を営み、地域経済に貢献している中小企業や個人事業主に限られます。また、事業を承継する後継者は、経営の経験を持つか、同業種に関する知識が豊富な者でなくてはならず、そうでない場合には創業や承継に関する研修等を受講していなければなりません。

事業承継の形態に応じて応募できる助成金のタイプが異なります。想定されている事業継承は以下の5パターンです。

・法人における代表者交代による事業の承継

Ⅰ型の対象となります。承継者が対象法人の議決権の過半数を取得し、かつ、他の事業を営んでいるか他の法人の過半数の議決権を取得している場合は、Ⅱ型の対象にもなります。

・個人間の事業譲渡による事業の承継

Ⅰ型の対象となります。承継者が他の事業を営んでいるか他の法人の過半数の議決権を取得している場合は、Ⅱ型の対象にもなります。

・法人からの事業譲渡、または法人の株式取得による事業の承継

Ⅰ型の対象となります。承継者が他の事業を営んでいるか他の法人の過半数の議決権を取得している場合は、Ⅱ型の対象にもなります。

・法人間における事業の引継ぎを行う事業の承継

Ⅱ型の対象となります。

・個人事業主からの法人への事業譲渡による承継

Ⅱ型の対象となります。ただし、被継承者の個人事業主と継承者となる法人の代表が同一人物の場合は認められません。

Ⅱ型の補助対象経費・補助率・補助上限額

事業承継補助金Ⅱ型は、事業承継を契機として新分野への挑戦、新市場の開拓、生産性の向上を目指す取組みに要する、人件費や設備費等の諸々の経費を補填します。事業所の廃止や既存事業の廃業・集約を伴う場合は補助額が上乗せされ、在庫処分や移転等の費用に充てることができます。

Ⅱ型の補助率・補助上限額・最大上乗せ額は次の表の通りです。

応募申請の内容 補助率 補助上限額 廃棄費の最大上乗せ額
採択上位 2/3以内 600万円 +600万円以内
上記以外 1/2以内 450万円 +450万円以内

■個人事業主による事業承継補助金の活用例

ここでは、手作りのお菓子を販売する事業を営む個人事業主のAさんを例に、Ⅰ型とⅡ型に申請できるそれぞれの場合を見ていきましょう。

高齢のAさんの息子のBさんは、食料品製造業の中小企業C社で働いているとします。Bさんが退社してAさんの事業を引き継ぎ、C社での経験を活かして事業の拡大を目指す場合、Ⅰ型に応募することができます。

次に、Bさん自身がAさんの事業を承継することは諦めたものの、地域で愛されるAさんのお店の設備やノウハウを勤務するC社の事業に活かしたいと考えたとします。この場合、AさんがC社代表へ事業譲渡を行えばⅡ型の助成金を申請することができます。また他の選択肢として、Bさんが個人事業主として一度Aさんの事業を引き継いだ後に、C社のグループ企業として法人化するといった方法も考えられます。

■【Ⅱ型】事業再編・事業統合支援型のスケジュール

7月に募集が開始されるⅡ型について、まだ募集要項等も公表されず詳細は不明ですが、現時点では以下のスケジュールで実施されると発表されています。

■まとめ

日本の高齢化は今後も進んでいきますので、事業承継の重要性はこれから益々高まっていくでしょう。事業承継を少しでも考えている方は、早いうちから準備を周到に進めることが肝心です。補助金をはじめとした国の支援制度を活用することも検討しながら、しっかりと備えましょう。

岡田桃子(ライター)
東京大学卒。卒業後は中央官庁に勤め、退官後ベンチャー企業に転職し、経理・法務などに携わる。
経理業務で得た知見や、中央官庁時代に得た法律や制度に関するナレッジを分かりやすく解説します。
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