税理士の無料紹介相談窓口
0120-374-024
メールお問い合わせ 年中無休で24時間受付中

税理士事務所・会計事務所の後継者募集を成功させるために知っておくべき全手順とポイント

税理士事務所・会計事務所の後継者募集を成功させるために知っておくべき全手順とポイント

更新日:

税理士事務所の後継者問題は、年々深刻化の一途を辿っています。しかし、実は後継者募集から事務所承継までの具体的な成功事例は数多く存在します。本記事では、実際の事例を交えながら、親族承継やM&Aなど複数の選択肢から最適な方法を選ぶポイントと、完全成功報酬型のM&A仲介サービス活用による年商1.2億円規模の税理士事務所の譲渡事例など、後継者問題を解決するための具体的な手順とノウハウをご紹介します。

税理士事務所の後継者問題の現状と課題

高齢化・人材不足が進む税理士業界のリアル

日本の税理士業界は今、深刻な高齢化と後継者不足の岐路に立たされています。日本税理士会連合会の調査によると、税理士の平均年齢は61歳を超え、70歳以上の税理士が全体の約2割を占めているのが現状です。一方で、税理士試験の合格者数は年々減少傾向にあり、新規参入者の確保が困難になっています。特に地方では、後継者が見つからないまま引退時期を迎える事務所が増加しており、地域経済を支える専門家の不足という新たな社会課題も浮き彫りになってきています。

後継者不足がもたらすリスク

税理士事務所における後継者不在の問題は、単なる事務所経営の課題を超えて、より深刻な影響をもたらします。最も大きなリスクは、長年信頼関係を築いてきたクライアントの事業継続性への影響です。突然の廃業や引継ぎの遅れは、確定申告や税務相談、経営アドバイスなど、クライアントの重要な業務に支障をきたす可能性がある。また、後継者不在のまま事務所経営を継続することで、新規サービスの開発やデジタル化への対応が遅れ、競争力の低下を招くことも懸念されます。

後継者を探すメリットと最適なタイミング

後継者の早期確保は、事務所経営の安定化だけでなく、新たな成長機会の創出にもつながります。特に、若手後継者の新しい視点や技術力は、既存の業務効率化やサービス領域の拡大に大きく貢献する可能性があります。また、後継者が決まることで、スタッフの将来不安が解消され、優秀な人材の定着にもつながります。

後継者探しの最適なタイミングは、引退を考えている時期の5年から10年前と言われています。これは、後継者の育成期間や、クライアントとの信頼関係構築、必要な資格取得、さらには資金面での準備などに十分な時間を確保するためです。特に税理士事務所の場合、専門的なスキルの継承や顧客との関係性の移管には相応の時間が必要となるため、早めの準備が重要となります。

後継者募集3つの選択肢

税理士事務所の後継者選びには大きく3つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自事務所の状況に合わせて最適な方法を選択することが重要です。

親族内承継のメリット・デメリット

事務所の創業理念や経営方針を維持しやすく、クライアントからの信頼も得やすいのが親族内承継の最大の強みです。また、早期から計画的な育成が可能で、円滑な引継ぎが期待できます。一方で、後継候補となる親族が税理士資格を持っていない場合や、事務所経営に興味がない場合もあり、適任者の確保が課題となることがあります。

従業員承継のメリット・デメリット

すでに顧客との関係性が構築されており、業務内容や事務所の文化も熟知している従業員への承継は、比較的スムーズな引継ぎが期待できます。特に、長年の実務経験を持つベテラン税理士や公認会計士がいる場合は有力な選択肢となります。ただし、経営者としての資質や経営意欲の確認、必要な資金の準備など、慎重な検討が必要です。

M&Aによる外部譲渡のメリット・デメリット

近年最も注目を集めているのが、M&Aによる外部譲渡です。より広い候補者の中から最適な後継者を見つけられる可能性が高く、譲渡条件も柔軟に設定できます。特に、経営意欲の高い若手税理士や規模拡大を目指す税理士法人などが候補となり、新たな成長への期待も持てます。ただし、相手探しから条件交渉まで専門的なプロセスが必要となるため、M&A仲介会社の活用が推奨されます。

いずれの方法を選択する場合でも、後継者に求める要件を明確にすることが重要です。税務の専門知識はもちろんのこと、経営戦略の立案力、営業展開力、そしてデジタル化への対応力など、現代の税理士事務所経営に必要なスキルセットを整理する必要があります。さらに、事務所の経営理念や価値観との親和性も重要な判断基準となります。

後継者募集の進め方

事務所の魅力を高めるポイント

優秀な後継者を見つけるためには、自事務所の魅力を最大限に引き出し、アピールすることが不可欠です。まずは、既存クライアントの業種構成や、得意分野(相続税対策、事業承継、国際税務など)、月次顧問料の水準、スタッフの専門性などを客観的に分析し、事務所としての強みを明確化します。

また、事務所の将来性をアピールする要素として、デジタル化対応の状況、業務効率化の取り組み、ワークライフバランスへの配慮なども重要です。特に若手後継者の関心が高い、残業時間の削減や有給休暇取得率、リモートワーク環境の整備状況なども、事務所の魅力を左右する重要な要素となっています。

募集要項の作成・公募の方法

後継者募集を具体的に進める際は、承継に関する条件を明確に示した募集要項の作成が必要です。ここには、譲渡価格の概算、譲渡後の役職や権限、出資比率、引継ぎ期間、既存スタッフの処遇などの基本的な条件を明記します。また、事務所の財務状況や業務内容、将来の成長戦略なども、候補者が判断するための重要な情報となります。

募集活動では、業界紙への広告掲載やSNSの活用に加え、専門のM&A仲介サービスの利用が効果的です。特に会計事務所・税理士事務所に特化したM&A仲介サービスでは、業界特有の事情を理解した上で、適切な候補者とのマッチングを支援してくれます。また、守秘義務を徹底した情報管理体制のもと、事務所の詳細情報を安全に開示することができ、より実効性の高い募集活動が可能となります。

実際の後継者募集・事務所承継の事例

事例1:後継者候補の突然の退職から事業譲渡へ

東京都内で従業員8名、年商1.2億円規模のP会計事務所では、61歳の所長が後継者不在の課題を、M&A仲介による事業譲渡で解決しました。

【背景】

20年以上勤務し、後継者として期待していたベテランスタッフが、両親の介護を理由に予定外の退職を申し出ました。長年信頼関係を築いてきた人材だけに、新たな後継者を探すことへの困難さを感じ、事業譲渡を検討することになりました。

【承継プロセス】

会計事務所M&A相談センターを通じて、東京都内の従業員50名、年商4.5億円規模のW税理士法人とマッチング。事業拡大を目指していたW税理士法人の48歳の所長との面談を重ね、経営方針や顧問先対応について丁寧な協議を行いました。両者の合意のもと、譲渡額1億2,000万円での事業譲渡が実現しました。

【成功ポイント】

顧問先や従業員への影響を最小限に抑えることを最優先事項として交渉を進めました。特に、W税理士法人の充実した組織体制と顧問先サポート体制が、P会計事務所の所長の信頼を得られた点が決め手となりました。

事例2:親族内承継からM&A活用への転換

埼玉県で従業員8名、年商1.2億円規模のT会計事務所は、74歳の所長が子どもへの承継を断念し、M&Aによる出口戦略を選択しました。

【背景】

当初は親族内承継を想定していましたが、子どもたちが他業種で活躍しており、後継者として期待することができない状況でした。所長の高齢化も考慮し、M&Aによる事業譲渡を決断しました。

【承継プロセス】

仲介サービスを通じて、東京都内の従業員30名、年商4億円規模のZ税理士法人を紹介されました。52歳の所長が率いるZ税理士法人は事業拡大を目指しており、両者の意向が合致。譲渡額9,000万円での合意に至りました。

【成功ポイント】

長年築いてきた顧問先との信頼関係を重視し、「これまでのやり方を変えずに引き継ぎたい」という所長の強い想いを尊重。Z税理士法人との複数回の面談を通じて、充実した組織体制への信頼感が醸成され、円滑な事業譲渡が実現しました。

この2つの事例から、後継者不在の課題に直面した際のM&A活用の有効性と、顧問先・従業員への配慮を重視した丁寧な引継ぎの重要性が示されています。

後継者(引き継ぎ側)が知っておくべきポイント

事務所承継と自力開業の比較

税理士として独立を考える際、自力での開業か既存事務所の承継かは重要な選択となります。事務所承継には、すでに確立された基盤を活用できる大きなメリットがあります。具体的には、安定した顧問先からの収入が見込め、経験豊富なスタッフの知見も活用できます。また、事務所の設備やシステム、業務フローなども整備されているため、開業直後から本格的な事業展開が可能です。

一方で、デメリットとしては、前所長の経営方針や業務スタイルとの調整が必要となる点が挙げられます。特に長年の顧問先との関係性や、ベテランスタッフの処遇などには慎重な配慮が求められます。また、事務所買収のための資金調達が大きな課題となりますが、この点は後述する金融機関の活用などで対応が可能です。

資金調達・事務所評価の方法

事務所承継における資金調達は、主に銀行融資を活用するケースが一般的です。特に、事業承継向けの専用融資制度や信用保証協会の保証付き融資が利用可能です。また、事業承継時の税制優遇措置も活用できる可能性があるため、税理士や公認会計士への相談も推奨されます。

事務所の評価額算定には、以下の要素が考慮されます。

  • 直近3年間の売上高と利益の推移
  • 顧問先の継続率と月額顧問料の水準
  • スタッフの人数と保有資格
  • 事務所の所在地と利便性
  • 業務効率化のための設備投資状況
  • 特殊な専門性や業界ノウハウの有無
後継者側が押さえておきたいトラブル防止策

円滑な事務所承継を実現するためには、以下の点に特に注意を払う必要があります。

まず、経営方針の擦り合わせを丁寧に行うことが重要です。顧問料の改定方針、新規サービスの展開、デジタル化への投資など、将来的な経営判断に関する考え方を前所長と十分に話し合っておくことで、承継後のブレを防ぐことができます。

また、スタッフの処遇に関しても明確な方針を示す必要があります。給与体系や福利厚生の維持・改定、キャリアパスの提示など、雇用条件に関する不安を払拭することが、円滑な承継につながります。

引き継ぎ期間の設定も重要なポイントです。一般的には6ヶ月から1年程度の期間を設け、以下のステップで進めることが推奨されます。

  • 顧問先への挨拶と引継ぎスケジュールの説明
  • 重要書類や業務フローの確認
  • スタッフとの面談と方針共有
  • 実務の段階的な移管
  • 問題発生時の対応方針の確認

これらの準備を入念に行うことで、承継後のトラブルリスクを最小限に抑えることができます。

専門家や仲介サービスの上手な活用方法

会計事務所・税理士事務所に特化したM&A仲介のメリット

会計事務所・税理士事務所の承継には、一般企業のM&Aとは異なる専門的な知見が必要です。業界特化型のM&A仲介サービスでは、税理士事務所特有の商慣習や業務特性を熟知したコーディネーターが対応します。例えば、顧問料の設定方法、スタッフの処遇、業務引継ぎの進め方など、税理士業界特有の課題に対して具体的なアドバイスが得られます。

また、税理士事務所のM&Aでは、顧問先の情報や決算書など、極めて機密性の高い情報を取り扱う必要があります。専門の仲介サービスでは、情報管理に関する厳格な社内規定や、セキュアなデータ共有システムが整備されており、安全な情報開示と交渉が可能です。

仲介サービス利用時のチェックポイント

M&A仲介サービスを選ぶ際は、以下の点を特に確認することが重要です。まず、手数料体系の透明性です。特に、完全成功報酬型か、着手金や中間金が発生するのかを確認します。また、サポート範囲についても、事務所評価の算定方法、契約書類の作成支援、条件交渉の代行など、具体的なサービス内容を確認しましょう。

さらに、守秘義務契約の内容や情報管理体制についても詳しく確認が必要です。過去の成功事例数や、実際の譲渡完了率なども、仲介会社を選ぶ重要な判断材料となります。特に、地域性や事務所規模など、自事務所と類似した案件の実績があるかどうかは、重要なチェックポイントです。

弁護士や公認会計士との連携で安心度を高める

事務所承継の過程では、法務・税務の専門家との連携も重要です。弁護士には、事業譲渡契約書の作成や確認、従業員との雇用契約の整理、知的財産権の取り扱いなど、法的リスクのヘッジを依頼します。

一方、公認会計士には、譲渡に伴う税務処理の確認や、相続税・贈与税の試算、事業承継税制の適用可否など、税務面でのアドバイスを求めます。これらの専門家との連携により、承継プロセス全体の安全性と確実性を高めることができます。

まとめ

税理士事務所の後継者不足は、業界全体が直面する重要な課題となっています。この問題を解決するためには、早期からの計画的な準備と、適切な方法での後継者募集が不可欠です。特に、会計事務所・税理士事務所に特化したM&A仲介サービスの活用は、より広い選択肢と専門的なサポートを得られる有効な手段といえます。

募集側(現所長)の方々は、まず自事務所の魅力や強みを明確に整理し、譲渡条件や承継スキームを丁寧に検討することが重要です。顧問先との信頼関係やスタッフの専門性など、事務所の価値を適切に評価し、アピールすることで、理想的な後継者との出会いにつながります。

後継者側(引き継ぎ検討中)の方々は、事務所評価の方法や必要な資金調達の準備を十分に行い、さらに経営方針の共有やスタッフマネジメントにも細心の注意を払うことが求められます。

当メディア(会計事務所・税理士事務所に特化したM&A相談センター)では、後継者募集から譲渡、資金調達、承継後の経営フォローまで、一貫したサポートを提供しています。豊富な成功事例を基に、「後継者不在で困っている」「良い買い手が見つからない」「どのように話を進めればいいか分からない」といった様々なご相談に対応させていただきます。事務所の将来について考え始めた今こそ、専門家への相談をご検討ください。

M&A無料相談はこちら
ページのトップへ