税理士の無料紹介相談窓口
0120-374-024
メールお問い合わせ 年中無休で24時間受付中

補助金の対象となる支援機関は登録が必要!M&A支援機関の登録制度とは

補助金の対象となる支援機関は登録が必要!M&A支援機関の登録制度とは

更新日:

「M&A支援機関登録制度」をご存じでしょうか。中小企業庁がM&Aを支援する業者などを登録制とするもので、中小企業の円滑なM&Aを促進するためにつくられました。M&A支援業務を行っている事業者はもちろん、M&Aに関心を持つ中小企業にもぜひ知っておいてほしい制度です。

M&A支援機関の登録制度とは

2021年、中小企業庁は中小企業のM&A支援の一環として「M&A支援機関登録制度」を創設しました。ここでは、この制度ができた背景や、M&A支援機関とされる企業などについて解説します。

M&A支援機関登録制度ができた背景

M&A(企業の買収・合併)は大企業の話だけでなく、最近は中小企業でも盛んに行われるようになりました。多くの中小企業が後継者不在に悩む中、企業存続の手段としてM&Aが選ばれるようになり、国も後継者問題の解決策としてM&Aを促進しています。
 

しかし、中小企業におけるM&Aの件数が増加するにつれ、M&Aを希望する企業とM&Aを支援する企業との間でトラブルも増えてきました。また、どこにM&Aの支援を依頼すればよいかわからず悩んでいる中小企業も少なくありません。
 

そこで、2021年8月に中小企業庁は「M&A支援機関に係る登録制度」を創設しました 。この制度の目的は、中小企業がどのM&A支援機関に依頼すればよいか目安とし、安心してM&Aを進めることです。
 

事業承継などを行う中小企業を支援する「事業承継・引継ぎ補助金」という国の支援制度がありますが、この制度の「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)」の対象となるのは、登録したM&A支援機関に支援を依頼した場合に限定されます。

M&A支援機関とは中小M&Aを支援する機関のこと

登録制度が対象とする「M&A支援機関」とは、中小企業のM&Aにともなう交渉や契約を支援・仲介する業務を行う企業・士業・金融機関などを指します。具体的には以下のような企業などが該当します。
 

・M&A専門業者(仲介業者、ファイナンシャルアドバイザー(FA))
・金融機関
・商工団体
・公認会計士や税理士などの士業専門家
・M&Aプラットフォーマー、事業承継・引継ぎ支援センターなど

M&A支援機関登録制度に登録するためには

M&A支援機関登録制度に登録する方法や登録に必要な要件、登録後にしなければならないことについて見てみましょう。

M&A支援機関登録制度に登録する流れ

M&A支援機関の登録は、事業承継・引継ぎ補助金事業に連動して申請受付が行われます。 登録申請受付の開始や公募要領については、中小企業庁「M&A支援機関登録制度」のホームページ をチェックしてください。

M&A支援機関登録事務局による公募が開始されたら、以下の流れで登録を申請します。
①登録を希望するM&A専門業者などは、登録制度のホームページから申請フォームへの入力・書類の提出を行います。
②事務局で審査が行われ、要件を満たせば登録希望者に登録が通知されます。
③事務局で登録されたM&A支援機関のリストを作成、中小企業庁ホームページで公表されます。

M&A支援機関登録制度の登録に必要な要件

M&A支援機関として登録されるには、以下の要件を満たさなければなりません。
(1)中小M&Aガイドラインの遵守
中小企業庁が「中小M&Aガイドライン」を策定しており、この中で中小M&A支援機関がとるべき行動指針が示されています。行動指針では、仲介・FA契約の締結時に依頼者に説明すべき事項や、最終契約締結時やクロージングにおける留意点などが記載されています。
(2)料金表の提出
M&A支援機関が自社で定めた料金規定などを提出します。料金表がない場合は、実際に中小企業などと仲介契約を交わしたときの料金や見積もり、算出方法などを示した資料(最近の事例であること)で代替えできます。
(3)登録後の遵守事項履行を誓約する
(4)顧客等による情報提供窓口への相談等の行動を制約しないこと
M&Aする支援を登録された支援機関に依頼し、問題などが出た場合、依頼者は情報提供窓口に相談などができるようになっています。仲介・FA契約を結ぶ際、秘密保持義務条項を設けていても、契約者が情報提供窓口に相談したことを秘密保持義務違反として取り扱えません。
(5)反社会的勢力に該当せず、今後も反社会的勢力との関係を持たない
(6)経済産業省所管の補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止措置を受けていない
(7)登録申請手続きの際の項目について、宣誓する

M&A支援機関登録制度の登録後に必要なこと

登録申請後、M&A支援機関として登録された業者は以下の事柄を遵守しなければなりません。遵守していないことがわかったり、改善の見込みがないと見なされたりすると、登録の取消や翌年度以降の登録継続が認められないことがあります。

(1)「中小M&Aガイドライン」を遵守していることを自社ホームページに記載すること

ホームページにガイドラインの遵守について記載する際は、登録制度公募要領に添付されている「遵守事項一覧」にチェックを入れたものを載せます。

ホームページを開設していない場合は、顧客に配布する会社概要やパンフレットなどの資料に「中小M&Aガイドライン」の遵守に関する資料を添付します。

(2)顧客である中小企業などに対し、事前に資料を使いながら中小M&Aガイドラインの遵守を説明すること

(3)成約した中小M&Aの実績を報告すること
前年4月1日~当年3月31日で成約した中小M&Aについて、実績をその年の5月末までにM&A支援機関登録事務局に報告しなければなりません。

M&A支援機関登録制度の依頼企業側のメリット

M&A支援機関として登録されている業者にM&Aの案件を依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、依頼者側のメリットについて解説します。
 

M&Aを考えている企業が中小企業庁に登録されている支援機関に依頼するメリットとして、以下の2点があります。
 

●事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)が使える
●事務局の審査をクリアした業者なので安心
 

●事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)が使える
「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)」は、M&A支援機関に依頼した場合、仲介やFA業務にかかわる仲介手数料などの費用を補助するものです。上述したように「事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)」が使えるのは、登録されているM&A支援機関に依頼した場合のみです。
 

●事務局の審査をクリアした業者なので安心
M&Aの支援を行う業者や士業専門家などが玉石混交であるため、依頼した業者が力量不足あるいは悪質だった場合、依頼側とトラブルになることが少なくありません。M&A支援機関の登録制度が設けられたのは、中小企業が安心してM&Aを進められるようにすることが目的です。中小企業にとって、登録されているM&A支援機関は中小企業庁のお墨付きを得ているという安心感があります。
 

さらに、万が一、依頼した中小企業が登録M&A支援機関から不利益をこうむったときは、事務局の相談窓口に相談することもできます。

まとめ

中小企業庁が創設したM&A支援機関登録制度は、M&Aを支援するM&A専門業者や士業専門家、金融機関などを登録制にする制度です。M&A支援機関として登録を申請したいM&A専門業者などは、中小企業庁の公募期間に申請を行うことになります。登録に必要な要件を満たし、事務局の審査を通過すれば、登録され、中小企業庁のリストに登録されてホームページで公開されます。
 

M&Aで事業承継などを考えている中小企業にとって、この制度があることで安心して支援業者を選べるほか、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)を活用できるというメリットもあります。
 

ビスカスもM&A支援機関登録事業者です。M&Aをお考えの経営者の方はぜひ、ご相談ください。

長谷川よう(ライター)
会計事務所に約14年、会計ソフトメーカーに約4年勤務。個人事業主から法人まで多くのお客さまに接することで得た知見をもとに、記事を読んでくださる方が抱えておられるお困りごとや知っておくべき知識について、なるべく平易な表現でお伝えします。
M&A無料相談はこちら
ページのトップへ