M&Aに必要な準備一覧! 専門家の手配から必要書類まで
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■M&Aの準備①相談先を決める
M&Aの実行には、専門家への相談が必要不可欠です。1人でM&Aを実行する場合、買い手や売り手を正しく選定できません。また、スケジュール通りに契約に至らず、さまざまなトラブルにつながる恐れもあります。
それでは、M&A仲介会社、M&Aアドバイザー、税理士など、M&Aの相談先の選び方とそれぞれの特徴をみていきましょう。
中立な立場でサポートするM&A仲介会社
M&A仲介会社の特徴は、中立な立場に立って、スムーズに契約に至るようサポートすることです。買い手と売り手のどちらかの味方をするわけではないため、より高く譲渡・譲受したい場合には向きません。
業務内容は、買い手・売り手の選定やスケジュール調整、必要書類の準備のサポート、契約書作成のサポートなどです。
有利な条件での契約を目指すM&Aアドバイザー
M&Aアドバイザーは、買い手・売り手それぞれが契約し、より有利な条件で契約することを目指す専門家です。買い手と売り手のどちらが優秀なM&Aアドバイザーと取引できるかで、契約条件の内容が変わります。
業務内容は、仲介業者と同じく買い手・売り手の選定や各種サポートです。より有利な条件で契約したい場合は、実績豊富なM&Aアドバイザーに相談しましょう。
税務の専門家である税理士
実は、税理士にもM&Aの相談が可能です。M&Aサポートの実績が豊富な税理士であれば、仲介会社やアドバイザーと同じくマッチ度が高い買い手・売り手を選定できます。また、M&Aによって譲渡益を得た場合、譲渡所得税がかかります。このような税金に関するサポートも含めて、M&Aのサポートを依頼できることが特徴です。
さらに、買い手は売り手に対してデューデリジェンスを実施し、財務・法務のリスクを調べるのですが、その際にも税理士であれば質の高い調査が可能です。別途、税理士を雇う必要もありません。
■M&Aの準備②譲渡や譲受の理由を明確化する
M&Aを実行に移す前に、譲渡や譲受の理由を明確化しましょう。M&Aを実行する理由を明確化するメリットやよくある理由をご紹介します。
M&Aを実行する理由を明確化するメリット
M&Aを実行する理由を明確化することには、次のメリットがあります。
・後悔を防げる
M&Aをすべき時期ではなかった、思っていたよりも譲渡益を得られなかったなど、後悔するリスクを抑えられます。
・条件を正しく設定できる
従業員の待遇改善などの条件を正しく設定できます。
・正しく希望譲渡価額を算定できる
必要な金額や企業価値に応じて、適切に希望譲渡価額を算定できます。
・スケジュール通りに進めやすくなる
理由を明確化すると、M&Aの成立に向けてモチベーションが上がり、スケジュール通りに進めやすくなります。
M&Aを実行する理由一覧
M&Aを実行するよくある理由は次のとおりです。
・後継者不足
家族や親族、社内に後継者に向いている人物がいなかったり、拒否されたりする場合があります。後継者がいなければ、廃業を余儀なくされます。
・従業員の待遇改善
従業員の待遇を改善できるような資金力を持つ企業とM&Aを締結すれば、従業員のモチベーションが上がります。自分は退任するにしても、従業員の待遇改善を望む経営者は少なくありません。
・販路の拡大
地域密着型の企業とM&Aを締結すれば、地元企業や顧客との強いコネクションを得られ、販路を拡大できます。
・創業者利益を得る(アーリーリタイア)
早い段階で悠々自適な隠居生活に入るアーリーリタイアを目指し、M&Aを実行する場合もあります。
・別事業への投資資金の調達
別事業に資金を投入するために、不採算事業を売却するケースもあります。
■M&Aの準備③M&Aの条件と社内の整理
業績調整および取引内容の見直し
- ・売上利益計画などを正しく立ててアピールすることで高く売却できる
- ・反社との取引などがないかチェックする
譲渡・譲受の条件の優先順位を決める
譲渡・譲受の際には、お互いに条件を定める必要があります。すべての条件をお互いが承諾できるとは限らないため、優先順位を決めなければなりません。優先順位を決めることで条件交渉がスムーズに進みます。また、駆け引きしやすくなるため、より有利な条件での契約成立を目指せます。
M&Aアドバイザーとしても、条件の優先順位が明確であれば、それだけ交渉をサポートしやすくなるのです。
条件の優先順位を決めるときは、M&Aを実行する理由に基づくことがポイントです。例えば、アーリーリタイアが理由の場合は、自分が思い描く生活の実現に必要な譲渡額を得ることが最優先となるでしょう。
従業員の待遇改善を優先する場合は、譲渡価額は二の次となります。このように、通したい条件を通すために、他の条件には妥協することが大切です。
■M&Aの準備④必要書類を準備する
M&Aを進めるには、さまざまな書類が必要です。打診の段階で必要になる書類からM&Aを進める際に必要になる書類まで詳しくご紹介します。
打診の段階で必要になる書類
M&Aの打診の段階では、次の書類が必要です。
・ロングリストとショートリスト
M&Aの相手を選ぶ際には、業種の選定や譲渡・譲受金額、諸条件などでフィルターをかけ、マッチ度が高い企業を選出する必要があります。この選出した複数の企業リストを「ロングリスト」といいます。
また、より詳細な条件や企業の情報を調べ、さらに数社~10社程度に絞り込みリスト化した書類を「ショートリスト」といいます。ロングリストとショートリストの作成には、専門家のサポートが必要です。
・ノンネームシート
売却企業の概要を匿名で作成したものを「ノンネームシート」といいます。記載内容は、売上高や利益、業種、希望譲渡額などです。ノンネームシートを用いて、M&Aを打診します。
・秘密保持契約書
秘密保持契約書は、M&Aを検討していることを外部に漏らさないことを約束するための契約書です。
・IM
IMは、インフォメーション・メモランダムといい、売却対象の企業情報が記載された資料のことです。その内容を見て、M&Aを進めるかどうかを決定します。
・意向表明書
意向表明書は、買い手が売り手に対して、購入の意向を示す書類です。希望買取価格や買収の目的、スケジュールなどが記載されます。
M&Aを進める際に必要になる書類
M&Aを進める際には、次の書類が必要です。
・基本合意書
基本合意書は、双方の諸条件などの同意事項を確認するための書類です。法的拘束力はありません。
・デューデリジェンスに必要な書類
将来の収益向上などの算定、財務上の問題点、法的リスク、労務関係や組織の価値観の調査などを調べるデューデリジェンスに必要な書類を提出します。
・最終合意書
M&Aの成立を意味する契約書です。お互いの権利義務が規定されています。
・TSA
事業譲渡をどのように進めるのかを取り決めることをTSAといいます。
いずれも、専門家のサポートを受けつつ準備することが大切です。
■まとめ
M&Aの成立には、専門家選びや理由の明確化、必要書類の準備などが欠かせません。それぞれ、十分に準備することで、マッチ度が高い企業とM&Aが成立しやすくなります。M&Aを成功させるためにも、まずは、M&Aの専門家に相談しましょう。
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